全国商工団体連合会(全商連)は1日、厚生労働省へのヒアリングを行い、国民健康保険(国保)のコロナ特例減免について、収入減少の比較基準年を、2019~21年の中から被保険者が任意に選択できるようにすることや、前年所得がゼロの被保険者を対象にすることなどを要請。新型コロナの傷病手当への国の財政支援を、事業主やフリーランスも対象とするよう求めました。
省側はコロナ特例減免について、「国は自治体への財政支援の対象を一律に示していて、細かい要件は市町村で決めている」と話しつつ、「前年比30%以上減少は見込みで構わず、悪質でなければ、実際に30%以上減にならなくても減免の取り消しや返還は求めない」と回答。国保料・税をいったん納めた場合でも、その後で減免が決定された人には、「納めた国保料・税を市町村が還付することはある。また、還付したものも財政支援の対象になる」と説明。コロナ禍で事業が立ち行かなくなり、給与所得者となるなど、前年と所得区分が変わった人の場合、「前年と比べて事業収入が30%以上減少していれば、財政支援の要件は満たしている」との見解を示しました。
コロナ禍の各種給付金を含む21年度の合計所得金額が1千万円を超える場合、今年度の所得にかかわらず、コロナ特例減免の対象にならないと回答しました。減免に取り組む自治体の対応が問われます。
新型コロナの傷病手当は20年度、被用者を対象に3700件、約2億8千万円が支給されたことが判明。全商連共済会の給付実績などを示し、事業主こそ傷病手当が必要であり、わずかな予算で実現できると強調しましたが、省側は「収入算定が多様な事業主に対象を拡大することは慎重に検討する」との従来の見解に固執しました。