仙台市 事業復活給付金を拡充 高見市議(共産)が議会で質問 仙台民商が取り組んだアンケートが力に 売り上げ30%減も対象|全国商工新聞

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宮城県に事業者支援策の拡充を求める仙台民商の三戸部尚一会長(右側)=2021年4月19日

 仙台市は14日、「中小企業等事業復活支援給付金」を拡充させました。売り上げ減少率50%以上に30%以上~50%未満の事業者を加え、最大15万円を給付するものです。高見のり子(共産)市議が、仙台民主商工会(民商)が取り組んだ「コロナ危機・消費税・インボイス・原油・資材高騰商売アンケート調査」(130人回答)結果を2月定例議会で取り上げ、同給付金の拡充を求めていました。こうした運動が実ったものです。

 給付金の支給額は表の通りです。国の「事業復活支援金」の交付決定を受けた事業者が対象です。2021年11月~22年3月のいずれか1カ月の売り上げが、18~21年の任意の年の同じ月と比較した減少率に応じて給付します。飲食店1千者を含む1500者が新たに対象になります。定例議会最終日の3月14日、一般会計補正予算案が可決され、事業復活支援給付金拡充に5億6400万円の予算が計上されました。3月中旬から、申請を受け付けます。

 昨年秋ごろから、コロナ禍からの経済回復に伴い、資材や原油の需要が一気に増えたことで価格が上昇し、会員から不安の声が聞かれるようになりました。仙台民商は常任理事会で「消費税の問題を含めて会員の商売の状況をつかもう」と、11月に「商売アンケート調査」を実施しました(図)。
 「商売の今後の見通しについて」は「やや厳しい」38・5%、「大変厳しい」23・8%を合わせると6割超が「厳しい」と回答。原油等の資材、材料の値上げの影響は「すでに影響がある」51・6%、「これから影響が出そう」28・9%を合わせると8割以上が影響を受けています。インボイス制度については「知っている」が34・1%にとどまる一方、「よく分からない」が52・3%に上りました。
 高見議員は2月21日の本議会で、アンケート結果を示しながら「コロナ危機直前の2019年10月から消費税が10%に引き上げられ、原油高騰の影響もあって食料品や日用品などの生活必需品が次々と値上がりし、暮らしや営業を直撃している。ガソリンスタンドや建築会社の社長さんらは『何よりのコロナ対策は消費税を1年でも2年でも免除することだ』と切望している。小規模事業者の場合、国の事業復活支援金は持続化給付金の半額だ。コロナ感染が長期化する中、先行きは不安ばかりとの声も上がっている」と紹介し、「国が売り上げ30%以上減を対象にしているのに、市は同50%以上減少だけを対象にしている。市の給付対象も同30%減も対象にすべきだ」と訴えました。
 市民と野党の共闘で誕生した郡和子市長は「地域の事業者の切実な声や地域経済の状況を国に伝え、さらなる事業者支援の拡充を求め、市としても国や県の対策を踏まえながら、必要な支援策を講じる」と回答。3月になって、同給付金の対象拡大が議会に提案されました。
 仙台民商の三戸部尚一会長は「飲食店をはじめ、これまで何とか踏みとどまってきた事業者が『もう持たない』と廃業する店が増えている。今回の事業復活支援給付金の拡充は、民商が取り組んだアンケートに基づいて日本共産党の市議団が議会で質問したことが力になった。給付金のさらなる拡充と、消費税減税を実現させたい」と話しています。

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