75歳以上の医療費2倍化を世論と運動で中止へ―。全商連も加盟する中央社会保障推進協議会(社保協)は2月18日、全日本年金者組合、日本高齢期運動連絡会、医療団体連絡会と共催し、署名提出集会を参院議員会館でオンラインを併用して開催。署名20万4692人分を国会に提出し、「高齢者のいのち・健康権・人権の侵害につながる『75歳以上医療費窓口負担2倍化中止』の声を、大きく、広く訴え、参議院選挙で社会保障費削減の政治を転換させよう」との集会アピールを確認しました。
集会では、佐久大学の唐鎌直義・特任教授が「“高齢者負担増=全世代型低社会保障”への道を阻止する」と題し、学習講演。日本の社会保障の悲惨さが一般の国民に伝わっていないとして、スウェーデン、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスと比較。「国民1人当たりの社会保障給付額は、日本が最下位。国の経済力がほぼ同等のフランスの65%程度だ」と述べ、「政府や大企業にお金が無いと思い込んでいる国民の“優しさ”が皮肉にも現状を後押ししている。フランス並みの社会保障を実現するには、あと74兆7390億円の支出が必要だが(表)、1人当たりの国民所得が日本に近いフランスにできていることは、日本でもできるはず」と指摘しました。
集会資料に掲載された日本高齢期運動連絡会のアンケートには切実な声があふれています。「持病があるので、毎月医者にかかっているが、医療費をどうしようと思いながら通院している」「医療費が2倍になったら、受診を減らすことを考えないと…」「いろいろ節約しているが限界。長生きするのがつらくなる」…
全国保険医団体連合会の住江憲勇会長があいさつし、「岸田政権は『新自由主義の転換』を掲げているが、実際には続けている」と指摘。社会保障を“国民同士の助け合い”としていることは「所得再分配の否定であり、『新自由主義』そのものだ。この中で、命と健康、暮らしをどう守れるのか」と批判し、「国民が怒りを爆発させ、『75歳以上の医療費窓口負担2割化』を絶対に阻止し、参院選で政治を改めさせよう」と呼び掛けました。
日本共産党の倉林明子参院議員、立憲民主党の鎌田さゆり、山崎誠の両衆院議員があいさつし、同・櫻井周衆院議員が参加しました。