免税業者でいられない!? 出版協 オンライン公開勉強会|全国商工新聞

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「夏の参院選でインボイス制度に反対する議員を増やしたい」など決意も語られた出版協のオンライン勉強会

 「出版人・クリエイター集まれ!もう免税事業者ではいられない!?」―。日本出版協議会(出版協)は2月26日、「#インボイス制度YouTube公開勉強会」をオンラインで開き、約60人が視聴しました。消費税インボイス制度は出版業界にも大きな影響を与えますが、その内容が知られていない現状に危機感を募らせ、制度の内容と仕組みを学び、理解を深めようと開いたもの。
 元静岡大学教授の湖東京至税理士が質問に答えつつ、制度の内容を解説。「インボイス制度の中止法案を国会に提出する運動を緊急に広げることが必要」と訴えました。
 パネリスト5人が意見交換。「制度が周知されず、内容を理解している人が少ない」ことが共通して出され、出版社として対応に苦慮する声も出されました。
 出版協理事の晴山生菜さんは「取引先の免税事業者に『課税事業者になってほしい』というのは心苦しい。だけど、仕入税額控除ができなくなると、自社の消費税税額が増える。消費税そのものに反対。そもそも本当に必要な税制なのか」と疑問を投げ掛けました。
 三芳寛要理事は「出版社が免税事業者の消費税を負担すると、営業利益は10%ほど下がり、売上額が10億円だと、消費税の負担は1千万円に上る。大きい出版社ほど影響を与えるのに、反対の声が上がっていない」と強調。「取引先に課税事業者の『番号登録を』と伝えなければならないと思っている。10年前の著作物でも印税を払っているので、その著者にも番号登録のことを伝えなければならない。発注者と請負側で、どちらが消費税を負担するか、綱引きをさせる制度だ」と批判しました。
 免税事業者が消費税を納めていないという“益税論”についても議論に。市民団体「STOP!インボイス」の発起人でライターの小泉なつみさんは「免税事業者は消費税を懐に入れていると犯罪者扱いされるけれど、消費税は“預り金”ではない。レシートでは本体価格に消費税が上乗せされているけれど、100円で売っても110円で売っても構わない。消費税は価格の一部だ」と強調。「中止を求めて国会議員にも働き掛けている。夏の参院選が正念場だ。インボイス制度に反対する議員を増やし、ストップさせたい」と訴えました。

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