民商・全商連は今回の総選挙で、「コロナ危機打開、消費税減税実現、営業と暮らしを守る政治を」と緊急要求を掲げ、大いに奮闘しました。
自民・公明政権の継続を許し、憲法理念を生かす政治へと転換できなかったことは残念でした。しかし、戦争法反対を起点とした市民と野党の共闘が進化を続け、共通政策、政権協力、選挙協力の合意を得て、初めて政権交代に挑戦しました。この貴重な政治的体験を、今後の運動発展の力にすることが大切です。
今回、全国62の選挙区で野党共闘の候補が競り勝ち、自民党の重鎮や有力候補を落選させました。また、惜敗率が80%以上だった選挙区も54に上りました。勝利と接戦の選挙区は小選挙区全体の約40%に及びました。多くの民商が中小業者の生きる道をひらく政治戦として、野党共闘の前進に貢献しました。
触れておきたいのは、野党第1党の立憲民主党が4年前の総選挙直前に結党した経緯に関してです。当時、戦争法容認や消費税増税を「踏み絵」とした旧民進党の解党の中で、危機意識を高めた市民と野党の共闘が立憲民主党を献身的に支えたからこそ、「戦争する国」づくりへの翼賛体制を封じることができました。立憲民主党には「持続化給付金の要件緩和支給」や「原発ゼロ」など多彩な法案を共同提案してきた実績をほごにせず、野党共闘の破壊に屈しない選挙総括や新たな執行部体制の確立を求めます。
民商・全商連がコロナ危機打開でも消費税闘争でも、切実な要求の実現に最も連携してきたのは、日本共産党の国会議員団です。政権交代を競う総選挙では事実に反する「暴力革命」「左の全体主義」などの謀略宣伝や「野党共闘は野合」との卑劣な攻撃が、政権与党や別動隊、右翼的労組などから繰り返されました。日本共産党の排除を意図した共闘破壊をはね返しつつ、共通政策の魅力を知らせ、より充実させていく世論と運動の高揚が強く求められます。
民商・全商連の70年は、中小業者の営業と生活、権利を守り、国民全体の幸福と固く結びついて、困難打開に挑戦し続けてきた歴史です。仲間を増やし、商売を守る運動に勇躍して踏み出しましょう。