徳島県石井町は1日から、新型コロナウイルスに感染した個人事業主らに1人一律10万円を給付する国民健康保険(国保)の傷病見舞金制度をスタート。個人事業主への傷病見舞金は県内で初めて。長年の念願がかない、徳島民主商工会(民商)会員から「これで少し安心して休める」と喜びの声が上がっています。
石井町は1日、ホームページを更新し、「個人事業主等に対する新型コロナウイルス感染症傷病見舞金給付事業について」を公開。国保と後期高齢者医療の被保険者のうち、事業所得で生計を立てている被保険者が新型コロナに感染し、療養のために事業を営むことができない場合、1人一律10万円を給付すると発表しました。給付対象者は、2021年4月1日から22年1月31日までに新型コロナウイルスに感染した国保に加入する個人事業主等で、国保税や後期高齢者医療保険料の滞納のない人。受付期間は11月1日から22年2月28日までとなっています。
石井町の担当職員は「傷病見舞金の財源は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における事業者支援分を充てる。事業主が新型コロナにかかっても、事業が継続できるよう支援していきたい」と話しています。
石井町の傷病見舞金は9月議会で、徳島民商婦人部員でもある山根由美子町議(共産)が「国保に加入する個人事業主にも傷病手当を」と質問したことに対し、住民課が「見舞金の給付で支援していきたい」と答弁していたもの。徳島県商工団体連合会(県連)も加盟する徳島県社会保障推進協議会が、昨年の自治体懇談で要請し、その後、山根町議が何度も取り上げてきました。
家業が自動車整備業の山根町議。「婦人部として長年、国保に傷病手当ができることを願ってきた。大変な思いをして、税金や社会保険料を払っている自営業者は多い。病気やけがで働けなくなったとき、安心して休める支援がないと生活困窮となり、事業が継続できなくなってしまう。傷病見舞金という形だが、実現できて本当に良かった」
石井町での傷病見舞金の創設決定を受けて、婦人部は10月4日、徳島市に要請。新開裕子さん=印刷=や山根さんらが参加し、事業主への支援を求めました。徳島県連と県連婦人部協議会は県内の全自治体を訪問し、「国保の傷病手当改善を要望しよう」と話しています。