「中小商工業研究」など示し交渉
「新型コロナウイルスに感染した、国民健康保険(国保)に加入する個人事業主を支援するため、傷病見舞金として1人一律20万円を支給する」―。群馬県渋川市の高木勉市長は8月23日、記者会見で発表しました。渋川北群馬民主商工会(民商)が繰り返し求めていたものです。予算は200万円。対象期間は、当面2020年1月1日~21年12月31日とし、同一の加入者1回限りの支給などとなっています。
7月30日、市が開催した経済団体等(商工会、商工会議所、森林組合、旅館組合、農協など)との意見交換会に、民商から狩野哲夫会長=鉄工=と生方大輔事務局長が参加しました。市いかほ内の伊香保温泉街への訪問・対話行動(6月20日)で聞いた店主らの窮状を伝え、製造業や建設業への支援と、事業主への傷病手当金制度の創設を要望。高木市長は「各団体からの意見を市政に反映していきたい」と回答しました。
8月3日には、民商も加盟する渋川北群馬地域社会保障推進協議会が市と懇談。国保、介護保険の滞納差し押さえの問題や生活困窮者への対策などについて意見交換し、狩野会長や松澤俊夫経営対策部長=整体・エステ、生方事務局長ら3人を含む14人が参加しました。
生方事務局長は、全商連が行った自治体アンケートを基に「個人事業主向けの傷病手当金創設」の必要性を訴えた論文が掲載された「中小商工業研究」第147号を示し、「各自治体は工夫して、事業主にも傷病手当金を創設している。県内の邑楽町は、傷病見舞金として、り患した個人事業主を支援している。他の自治体を参考に創設してほしい」と強く訴え。松澤経営対策部長は自身の経験を交えつつ、「障害者認定などの手続きをした時、幾つもの課をたらい回しにされて大変だった。誰もが相談しやすい環境づくりを」などと切実な要求を伝えました。市は「資料を参考に、研究したい」と回答していました。