大阪商工団体連合会(大商連)と兵庫県商工団体連合会(県連)は8月30日、日本共産党の清水忠史衆院議員室とウェブでつなぎ、国の一時支援金の不備が事務局から乱発される「不備ループ」問題の改善を、中小企業庁へ要請。中企庁は、持ち込まれた事例については個別対応に応じる姿勢を示しました。大商連から8人、兵庫県連から11人が参加しました。
冒頭、大商連の藤川隆広副会長が「7月14日に全国商工団体連合会(全商連)が同様の問題で要請してから、1カ月がたっている。しかし、いまだに改善されない。われわれの要望に答えてほしい」とあいさつ。事前に送付していた要請書の①要綱通りの資料添付と5割以上の減収が確認できれば、いち早く支給する②一人一人丁寧に対応し、支給されるまで寄り添うこと。委託先でそれができない場合は、中小企業庁が責任を持って対応する③一時支援金申請時に確認された不備等を、月次支援金申請時に蒸し返さないよう、委託先に徹底する④不備に対応している申請者に、いきなり「不給付決定通知」を送付しない―についての回答を求めました。
中企庁の担当者は「早く届けるために審査をしている。規定にある書類の提出を依頼し、営業実態を確認している。不備メールの内容も分かりやすく変更をした」と強弁。7月14日の要請については「『行政手続法に基づくものではない』と判断しているので、対応はしない」としつつ、「申請IDと名前を教えてほしい。対応していきたい」と個別対応を約束しました。
不備ループに陥っている業者からは、「国の対応に不信感を抱いている。提出できる書類は、全て添付してきた」(エステ)、「『季節性収入特例』を最初に選択して申請したが、不備に。コールセンターに相談したら、『一般に変えてみては?』と言われ、変更したら不支給の連絡が来た」(音響設備)、「何度資料を添付しても、すぐに戻ってくるメールに怒りを覚える。何十年間も真面目に商売してきたのに、続けられるようにしてほしい」(美容)と切実な訴え。他にも「不備メールの対応が、精神的にも肉体的にも負担になっていることを理解してほしい」「中小業者に多大な負担を押し付けないという精神に立って中企庁が責任を持って審査をすべき」など、次々と発言がありました。
兵庫県連の那須由美子事務局長が「国の制度なのに、実態を見ず、一向に不備メールが解消されない事態は、一刻も早く改善されなければいけない。政治が判断し、国が寄り添って支給すべき」と、改めて改善を強く求めました。