群馬県渋川市は、2021年度の国民健康保険(国保)コロナ特例減免の独自基準を創設し、「20年度の収入に持続化給付金を含めて計算する」との要件を盛り込みました。この要件によって“前年よりおおむね3割以上の減収”の減免対象が広がることに。渋川北群馬民主商工会(民商)が5月11日、市と懇談し、コロナ特例減免の実施と業者の実態を訴え、支援拡充を求めていたものです。
国の基準では「21年の事業収入等が、20年度と比較して3割以上減少する見込み。事業収入に各種給付金は含めない」とされており、各地の民商から「対象者が減るのでは」と懸念する声が上がっていました。
渋川市はホームページで減免の対象を“世帯の主たる生計維持者の21年中の事業収入が、20年中の収入に比べて3割以上減少する見込みであること”と記載し、目立つよう大きな文字で「国の持続化給付金を受給した場合、当該金額を含む」と表示しています。減免割合は国と同基準で、昨年の合計所得が300万円以下の場合は、全額免除です。
市の担当者は「5月の民商との懇談で、業者の実態を伺った。20年の収入が前年比3割減になった人が、21年で更に3割減収するのは非常に厳しいと知った。何とかしなければと思い、申請できる人を増やすことを検討した。4300万円程の予算を組み、対象者の拡大を決めた。納税通知書にコロナ特例減免の案内を同封し、周知を図っていく」と話しました。
狩野哲夫会長=鉄工=は「昨年、国保のコロナ特例減免を申請し、約26万円が全額免除に。コロナ禍の厳しい折、とても助かった。市が持続化給付金を収入に含める基準を作ったのは、なるべく多くの業者が申請できるようにと、中小業者の現状を考えてくれたから。県も財政支援などで、自治体の奮闘を支えてほしい」と話しています。