被爆76年となる原水爆禁止2021年世界大会の開催が迫っています。コロナ禍の下で昨年に続きオンラインを中心に、8月2日国際会議、6日広島大会、9日長崎大会などが行われます。
今年の世界大会は核兵器禁止条約が発効して初めての開催であり、核兵器廃絶への展望を示す大会となります。
禁止条約の批准国は55カ国、署名国は86カ国(7月13日現在)まで増えました。昨年の国連総会では加盟国の3分の2を超える130カ国が「禁止条約を支持する決議」に賛同しています。核兵器の廃絶を求める声は世界の大勢を占めています。
一方、核保有国と「核の傘」政策をとる国々は、核抑止力に基づく覇権主義、軍事優先、核軍備を増強しています。東シナ海、南シナ海、台湾を巡る米中対立とウォーゲームが日本の目の前で展開され、世界の緊張を高めています。アメリカはいざという場合、核兵器を使用する立場を表明し、日本政府は一体となった防衛力の強化を約束しています。世界大会は被爆者の証言を聞き「核兵器と人類は共存できない」と、核兵器の非人道性を広げてきました。核抑止論を打ち破り、非核化を迫る力となるのが世界大会です。
しかし、日本政府は国際社会の期待や国民の願いに背を向け、禁止条約に反対しています。そうした中でも「日本政府が禁止条約に批准・署名するよう求める」自治体意見書の採択は全自治体の3割を超える592自治体へと広がっています(7月19日現在)。世界大会の成功は国内の取り組みを交流し、運動を励まし、日本政府を変える結節点となります。
大会には、国連代表、禁止条約締結国会議の中心を担うオーストリアの代表や、核保有国、アジアの国々の平和運動の代表などが参加します。全商連も運営に関わる「核兵器・経済・環境」のテーマ別集会には多彩な専門家も参加します。
世界大会を契機に核廃絶について考え、「平和の波」行動や署名活動などに取り組み、代表参加を強め、この秋に行われる総選挙で、日本政府が唯一の戦争被爆国の責務を果たすよう運動を大きく広げましょう。