民商で和やかに教え合い
全国商工団体連合会(全商連)が2024年に開校した「自主申告サポーター学校」。第3回で報告された静岡県内の民主商工会(民商)の自主記帳、自主計算の取り組みが注目を集めました。2025年の確定申告に向けても、準備が進んでいます。
伝票作成にこだわり
伊東民商「チェック会」に持ち寄り
伊東民商では、各会員が商売の状況を記録することを重視し、伝票を作ることにこだわっています。起票した伝票と、それらを転記した出納帳や、パソコン会計ソフトに勘定科目を入力したデータを、各自が民商の毎月の「チェック会」に持ち寄ります。「チェック会」には、仲良しの会員同士が時間を合わせて参加することも。「ああでもない」「こうでもない」と教え合ったり、伝票や帳簿をチェックします。
婦人部長の佐藤美代子さん=電気店=は、24年からパソコン記帳に挑戦しています。毎日の取り引きを起票し、それをパソコンに入力。手書きの出納帳とプリントアウトした帳簿を照らし合わせてチェック。さらに、民商に持ち込んで二重チェックします。
「自分の商売のことをちゃんと知るためには、帳簿を付け、数字をつかむことが絶対に必要です。今はまだパソコン会計に挑戦中ですが、仲間にも、もっと広げたいです」。意気揚々と語りました。
自主計算をサポート
富士宮民商5人の「推進委員」
富士宮民商では、1980年代から「自主計算推進委員」の仕組みを設け、自主記帳、自主計算の取り組みを進めてきました。現在、自主計算推進委員は5人います。2カ月に1度、自主計算推進委員会を開催し、民商の「記帳チェック会」の日程を確認したり、参加者に対応するチェック会の当番を決めたりしてきました。
11月22日には、年末調整に向けた「自主計算推進委員会」を開きました。この委員会では、最近の税務調査での指摘事項や、11月13日に実施した富士税務署への要請結果などを報告。年末調整の学習会と計算会の日程を決めました。
民商では毎年、年末調整や確定申告時期が近づくタイミングで、5人の自主計算推進委員と事務局員とで「確定申告サポーター講座」を開いています。講座では、計算実務の例題に取り組み、会員の自主計算がサポートできるようにしています。
同22日の委員会では、「年末調整学習会」後の食事会の計画や、健康談義などにも花が咲き、和気あいあいと話し合いました。