全商連は4日、「政策提案・経営対策のための調査活動」をテーマに第11回経営対策交流会をオンライン開催し、全国138カ所で視聴されました。
3組織から4人が報告。群馬県連会長の奈良民男さん=製缶=は「役員は会員の状況をつかんでいるか」という問題意識から、県連としてこの秋「経営実態調査」に取り組んだことを報告。「物価高騰や価格転嫁に苦しむ会員の状況が見えてきた。県への要請で会員の要求を突き付けたい」と力を込めました。
長崎・諫早民商副会長の永友哲也さん=造園=と南支部副支部長の平尾賢介さん=船舶修理=は「秋に取り組んだ県連の『営業動向調査2024』が班会に集まる動機付けになった。業者要求をくみ上げ、自治体に要請することこそ民商がすべきこと」と話しました。
武庫川女子大学・山下紗矢佳准教授は、兵庫県中小商工業研究所の取り組みを紹介。「”自立型企業経営の確立”をめざす年2回の景況調査『RIIBレポート』を生かし、事業の方向性を見定め、経営環境に流されない経営をめざすことが大切」と強調しました。
全商連付属・中小商工業研究所「営業動向調査」のモニター2人が報告。島根・松江民商副会長の野津照巳さん=クリーニング=は「利益の指標が悪くなっていると、何が悪かったかを自問し、利益率の良い仕事を増やした」と、調査に答えることが営業の見直しにつながったと述べました。
新潟市中央区で、夫とラーメン店「信吉屋」を営む新潟民商・土田文江さんは「調査がきっかけで、経費などを数字化して考えるようになった。自由回答欄で全商連に自分の声が届くのがモチベーション」と語りました。
「営業動向調査」の分析に20年間、関わってきた立教大学・菊地進名誉教授は、これまでの調査データが、リーマン・ショックやコロナショックなど、時々の状況を、はっきりと捉えてきたと紹介。「地域ごとにも実態調査を行い、業者の怒りをデータ化し、自治体と懇談することが、ますます重要」と話しました。
全商連の中山眞常任理事は「今後、国会で成立・予算配分される見込みの『重点支援地方交付金』を業者支援策に結実させるため、調査・要請を強めよう」と呼び掛けました。