長期化する物価高騰によって、材料などの仕入れの値上がりや燃料・光熱費が高止まりし、資金繰りが悪化する中小業者が増加しています。とくに12月は、年末年始特有の取引や支出が増加し、資金不足に陥りやすくなる時期です。金融機関に円滑な資金供給や貸し付け条件の緩和を求め、政府や自治体に資金繰り支援策拡充や物価高騰対策の直接支援策創設を求めることが重要です。
政府は6月、新型コロナ感染症の影響で苦境に立たされてきた中小企業への支援策を転換し、日本政策金融公庫の「ゼロゼロ融資(実質「無利子・無担保」)」や民間金融機関で利用するコロナ借り換え保証(民間ゼロゼロ融資)などを終了させました。その後、支援継続を求める全商連など広範な業者の要望に応え、コロナ前から措置されていた「小口零細企業保証(「全国小口」、保証限度額2千万円、100%保証で原則無担保)」を活用して、資金繰り支援策を継続すると発表。引き続き、100%保証での借り換えもできるとしました。
全国中小業者団体連絡会(全中連)は10月1日、コロナ借り換え保証制度の終了に伴う資金繰り支援強化について金融庁に要請しました。庁側は、関係省庁と連携して今年6月7日に発出した政府文書「コロナ資金繰り支援策の転換を踏まえた事業者支援の徹底等について」に言及し、「官民の金融機関に足元の物価高や人材不足の影響も踏まえながら、引き続き事業者に最大限寄り添ったきめ細やかな資金に支援を徹底する」と回答。「全国小口」を活用した借り換え制度による資金繰り支援についても、「民間金融機関に信用保証制度を用いたコロナ融資の借り替えなどによる資金繰り支援を要請している」と説明しています。
各地の民主商工会(民商)は、設備資金や運転資金、開業資金など、会員一人一人の要求に合わせて相談に乗り、金融機関・保証協会との交渉や事業計画書などの提出書類の作成を支援し、事業に必要な融資獲得を実現しています。
国や自治体に資金繰り支援策の拡充を求めると同時に、「年末年始の資金繰りは民商に相談を」と声を掛け、悩んでいる全ての中小業者を励ましましょう。