インボイス導入から1年 廃止求める署名広げ営業守ろう|全国商工新聞

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 昨年10月1日に消費税のインボイス(適格請求書)制度が導入され、間もなく1年です。インボイス制度廃止を求める声は切実さを増しつつ広がっています。「STOP!インボイス(インボイス制度を考えるフリーランスの会)」が取り組むオンライン署名「日本に生きるすべての人の暮らしに悪影響を及ぼすインボイス制度に抗議します」は、8月29日時点で58万4811人分に達し、オンライン署名の日本最多記録を更新しています。
 インボイスの導入により、今春の確定申告時期には、消費税の課税事業者が新たに126万者増加しました。その多くが、今まで免税事業者であった課税売上高1千万円未満の小規模事業者とフリーランスと呼ばれる人たちです。
 導入に当たり、激変緩和措置(2割特例)や経過措置(80%控除、50%控除)が設けられた上、2023年の申告対象期間は昨年10~12月の3カ月分だったため、負担は数万円程度で済んだ人も、来年は丸々1年分が対象で、負担は4倍に跳ね上がります。
 「STOP!インボイス」が実施した申告後の実態調査では、「借金をして納税した」「負担に耐えられないので廃業した」など、事業継続が困難な状況が広がっています。激変緩和措置や経過措置が終了した場合の消費税負担は、さらに重くなり、今年の10倍以上になると試算する税理士もいます。
 国の統計(2020年実施)では、462万人とされるフリーランスですが、1500万人を超えているとの調査もあります。その年収は600万円未満が約7割を占め、消費税の免税点以下でありながら、インボイスによって新たな課税を押し付けられた人たちが多数含まれます。
 課税事業者は今後、自身の消費税負担の軽減を図るため、下請けなどの免税事業者に「課税事業者になることを促す」「値下げを要求する」ことが予想され、対応できない場合は、免税事業者を取引から排除する事態も懸念されます。
 10月の解散・総選挙が有力視されている今こそ、「消費税5%以下への引き下げとインボイス制度の廃止を求める」請願署名を広げ、中小業者・フリーランスの営業と暮らしを守っていきましょう。

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