自主申告運動の担い手を 全商連サポーター学校開始|全国商工新聞

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参加者同士が質疑応答し合う場面も

 全国商工団体連合会(全商連)は8月20日、「自主申告サポーター学校」(全5回)の1回目をオンラインで開校し、全国の民主商工会(民商)など391カ所で視聴されました。
 税務相談停止命令制度が4月から施行され、納税者の権利を脅かす税務行政のデジタル化が進められています。消費税インボイス(適格請求書)制度による実質増税に中小業者らの悲鳴が上がっています。6月からの所得税の定額減税では、中小業者に煩雑な事務負担が押し付けられました。
 サポーター学校は、こうした目まぐるしく変化する税制や強権化する税務行政について学ぶとともに、自主申告運動の実践や経験を交流し、相談に乗れる担い手を増やすことを目的に開かれます。8月20日を皮切りに、同27日、9月3日、同10日、同17日の全5回の予定です。
 全商連の三戸部尚一副会長が開校あいさつ。「自主記帳、自主計算、自主申告は申告納税制度の根幹だ。民商が、これを単なるお題目にしてしまったら、国民は、いつまでも主権者になれない。サポーター学校で大いに学び、実践に生かそう」と呼び掛けました。
 中山眞常任理事が「『自主計算パンフレット』の概要と担い手づくりの留意点」をテーマに講義。同パンフは①大企業と税務署に忖度せず、税制・税務行政の実態を暴く②民主的な税制と税務行政の在り方を国民・中小業者の立場から示す③民商でしか手に入らない―の三つの特徴を持つと強調しました。政府・財務省の情報を無批判に垂れ流すメディアの下で、不公平な税制と人権を脅かす税務行政の実態や、日本の税制の後進性が多くの納税者に知らされていない中、「自主計算パンフを全会員に普及し、活用する意義は大きい」と提起しました。
 全商連事務局の江浦亜希子さんが「不公平な税制の特徴と税務行政の動向」として、2024年版「自主計算パンフレット」(1~9ページ)の中身を示しながら紹介。「不公平な税制や人権を踏みにじる税務行政の実態を知り、周りに知らせることが、『納税者を従わせる国』から『納税者が主人公の国』に変える力になる。パンフレットを大いに学び、活用しよう」と呼び掛けました。
 参加者から「今年に入って頻発している税務調査の状況は?」「大企業が優遇される『租税特別措置』の内容とは?」「税務行政のデジタル化が、納税者の権利を侵害する理由は?」などの質問が相次ぎました。税務調査の状況について、大阪商工団体連合会(大商連)の参加者がオンラインで答えるなど、参加者同士が互いに学び合いました。

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