各地の民商 税務署と懇談、申し入れ 収受日付印の継続を 収支内訳書強要やめよ|全国商工新聞

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「税務署は、確定申告書控えへの収受日付印押印の取りやめ方針(来年1月から)を納税者の求めに応えて取りやめよ」―。各地の民主商工会(民商)は、税務署への申し入れを行い、収受日付印の押印継続を求めるとともに、「収支内訳書の提出を強要するな」「民商の自主申告運動が、税務相談停止命令制度の対象外であることを確認せよ」などと迫りました。

滋賀・湖東民商 近江八幡税務署と懇談

確定申告書控えへの収受日付印の押なつ継続などを近江八幡税務署に求めた湖東民商の藤関福樹副会長(左)ら

 滋賀・湖東民商は7月4日、近江八幡税務署と懇談を持ち、藤関福樹副会長・税金対策部長=建設、県商工団体連合会の植田義和事務局長ら4人が参加しました。税務署側は総務課長、総務係長が応対しました。
 今回の懇談は、大阪国税局から先日、会員に送付された「収支内訳書提出の督促」について、「税務署への提出の強要をするな」と求めるもの。併せて来年1月以降、確定申告書控えへの収受日付印の押なつを中止する問題や、今年4月に施行された「税務相談停止命令制度」への対応についても意見交換しました。
 収支内訳書提出について、署側は「提出が無いことをもって確定申告書が無効になることはない。あくまで所得税法に提出義務があるため、お願いをしているもの」と回答。督促文書内の「調査を実施する場合があります」等の納税者を脅すかのような記述を削除するよう求めましたが、回答はありませんでした。
 藤関副会長は「自主申告を貫く上で、申告時に収支内訳書を添付していない会員が多い。自分の売り上げや経費の使い方は、税務署に判断を仰ぐものではない。よって、怒りを持って返却させてもらう」と伝えました。
 収受印の押なつが無くなる問題について、署側は「近江八幡税務署が独自で判断するものではない」と回答。本紙7月8日付を手渡し、国会で取り上げられていることも示し、「納税者が不利益を被る行為をやめよ。近江八幡税務署にも反対の声が届けられたことを本庁に届けてほしい」と要請。「民商の自主計算、自主申告の取り組みは、税務相談停止命令制度に抵触するものでは断じてない」ことも伝えました。

京都・東山、山科民商 東山税務署へ申し入れ

東山税務署に収支内訳書の督促などをやめるよう申し入れた東山民商の石井計善会長(右)ら

 京都・東山民商は7月3日、山科民商と合同で、東山税務署へ申し入れを行いました。大阪国税局から民商会員に「収支内訳書の督促文書」が届いているという相談を受けたもの。東山民商から石井計善会長=スナック、河田淳事務局長が参加。税務署側は総務課長と課長補佐が応対しました。
 収支内訳書の督促文書について、総務課長は「何年か前から大阪国税局の業務センターで集約して送っている。提出せずとも罰則はないが、義務付けられており、提出をお願いしている。無いからと言って、直ちに税務調査はしない」と回答。消費税減税、インボイス(適格請求書)制度の中止・廃止については、「コメントする立場にないが、趣旨は伝える」と述べるにとどまりました。
 税務相談停止命令について、民商で行う納税者の自主的な学習・相談活動は対象外であることを確認すると、署側は「個別事案となるので言えないが、一義的に命令制度を適用しない」としました。
 確定申告書の控え等への収受日付印の押なつを来年1月以降も、納税者の求めに応じて行うことを要望。総務課長は「来年1月からは確定申告書の控え等には収受日付印は押なつしない。押なつしないことは銀行や行政機関へは説明している。提出された確定申告書には押なつする」と、あくまで押なつ廃止を強行する姿勢を示しました。
 白色事業専従者や青色事業専従者の一部など、定額減税の対象とならない場合に給付金で対応することの周知徹底も要望しました。

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