人権無視の調査は中止に 収受日付印廃止やめよ 近畿6県連が大阪国税局に要請|全国商工新聞

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要請に臨む京都、大阪、兵庫、和歌山、奈良、滋賀の近畿6県連の参加者

 「業務センターへの書類郵送の強要、確定申告書控えへの収受日付印の押なつ廃止、人権無視の税務調査は中止せよ」―。京都、大阪、兵庫、和歌山、奈良、滋賀の近畿6府県の商工団体連合会は6月11日、総勢17人で大阪国税局に要請。国税局総務課の課長補佐ら3人が応対しました。

 業務センターへの書類郵送の強要について、「国税通則法21条では、申告書は所轄の税務署長に提出すると定められている。郵送の強要は違法ではないか」とただしました。課長補佐は「税務署長の補助機関なので、業務センター自体は違法ではない」と釈明し、「郵送はあくまでも協力をお願いしているだけ。強要しない」と回答しました。
 確定申告書控えへの収受日付印の押なつ廃止については、兵庫、京都、奈良で直近に発生した書類の紛失事例を示し、「いずれも控えの収受日付印があったから対応できた。収受日付印の廃止は中止すべきだ」と求めました。課長補佐は「提出の事実はe―Taxやマイナポータル、納税証明などで確認できる。提出日付を記載したリーフレットを配布するので、控えには自身で日付を記入してもらう」と説明しました。参加者から「書類を紛失した場合はどう対応するのか」「リーフレットが、その納税者に交付されたものかを証明できるのか」などの疑問点をただすと、局側は回答不能に。
 強権的で違法な税務調査について、具体例を示し、是正を求めました。滋賀・長浜民主商工会(民商)の会員=建設関連仮設レンタル=の調査で、立ち会いを認めることなどを求める請願書の受け取りを署員が拒否した問題で、納税者支援調整官が「要望書は受け取れない。無くすかもしれないし」と擁護する一方、「帳簿は預かりたい」と矛盾した受け答えを行い、「税務運営方針の通り調査を進めてほしい」との求めに「(税務運営方針を)初めて見た」と信じられない回答をしています。「これでは支援調整官の意味がない」と大阪国税局の指導を求めました。
 京都・伏見民商では、副業をしている女性への無予告調査が複数発生。午前8時に男性署員が電話で「今、自宅前にいる」と告げ、その後、男性2人で押しかけ、威圧的な態度で帳簿書類等を持ち帰る▽戸棚から勝手に書類を取り出す▽同意なく反面調査を行う▽無理やりスマホを取り上げ、通信履歴を確認▽調査に関係ない家族事情を事前に調べ、質問―など、人権無視の調査の中止を求めました。
 今年1月の要請にも参加した大阪・松原民商会員=電気工事=は「署はいったん態度を軟化させたが、再び、ひどい調査に戻っている」と告発。資料の持ち帰りをしつこく求められ、その場での調査を求めると、「協力的でない」「持ち帰れないと資料は見られない」と勝手に反面調査し、「調査期間が5年になった」と脅されました。「資料持ち帰り(留め置き)は質問検査権には含まれない。断っても、罰則も、不利益もない。持ち帰り拒否で調査期間を延ばすなど違法だ」と追及し、違法調査をやめるよう指導を求めました。

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