兵庫県 三田市 民商の提案で「従業員無し」も対象、申請簡素に 会員121人が助成金申請|全国商工新聞

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みんなで商売続けよう 三田民商連日の集団申請会

集団申請会に参加した三田民商の会員ら。右端が吉岡昌保副会長

 「民商が提案して改善された市の助成金を活用して、みんなで商売を続けよう」―。兵庫・三田民主商工会(民商)は、三田市の「小規模事業者物価高騰対策助成金」の集団申請会を連日、開催。助成金の対象となる会員121人のほぼ全員が申請を終えました(9日時点)。

 コロナ禍の影響や、引き続く物価高騰によって、経営困難な状況に陥いる会員が増加する中、民商は昨年11月1日、吉岡昌保副会長(81)を部長にして経営部会を発足させました。部会では、「商店街がシャッター街になっている。市は対策しないのか」「三田駅前はタワーマンション建設など再開発が進む一方、それ以外の場所では過疎化している。バスも減って、どんどん住みにくくなっている」など、地域の実情を出し合っています。
 兵庫県商工団体連合会が呼び掛けて毎年、行っている全自治体懇談の後、「わざわざ市の方から業者の苦しさを聞きに来てくれないから、こちらから訴えていくしかない。民商独自でも自治体要請に取り組もう」と、三田市政策産業課との懇談をセット。「従業員のいない業者も対象にしてほしい」など、経営部会で出し合った会員の声を紹介しつつ、商工新聞に掲載された各地の自治体の物価高騰対策支援制度を紹介するなど、懇談を重ねてきました。そのかいあって3月に、「三田市小規模事業者物価高騰対策助成金(第2次)」が創設されました。
 市の助成金制度としては、昨年に続く2回目です。第1次助成金は、市内で商売を営んでいる小規模事業者で、かつ従業員を雇っていることが条件でした。しかし、民商から「会員のほとんどが家族経営や一人で営業を行っている。家族経営も、一人親方も、フリーランスも対象に含めてほしい」と申し入れ、併せて申請書や添付書類の簡素化を求めました。その結果、申し入れた内容が実現し、使い勝手の良い第2次助成金の申請が行われることになりました。
 集団申請会では、民商の提案が今回の改善につながった経緯を伝え、「要求運動に確信を持ち、集まって相談し、学び合いながら商売を続けよう」と励まし合っています。

三田市小規模事業者物価高騰対策助成金(第2次)

 各種原材料費などの上昇により、厳しい経済状況に直面している三田市内の小規模事業者(商工業者)に対して、事業の継続を下支えすることを目的に、市が創設した経済対策。
 売り上げ減少などの要件がなく、申請書兼請求書も2枚と簡素で、電子申請のほか郵送申請にも対応しています。
○対象要件
1、令和6年1月1日以前に事業を開始していること
2、申請時において事業を経営し、助成金受給後も引き続き当該事業の継続意思があること
3、三田市において、同種の助成・補助等を受けていない、または受ける予定がないこと。
○助成額
 従業員5人以下2万円、6人以上10人以下3万円、11人以上20人以下5万円。
○申請期間
 2024年3月29日~同年7月31日まで。

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