コロナ禍に加え、異常円安と物価高騰が追い打ちをかける中、各地の民主商工会(民商)は、国民健康保険(国保)料・税の負担軽減を図ろうと集団減免申請を行ったり、国保改善を求めて自治体への要請を繰り広げています。
減免の周知など「検討する」 神奈川・相模原民商 相模原市の職員招き
「国保の減免制度の周知徹底や、市独自の子どもの均等割減額の継続を」―。神奈川・相模原民商は3日、9人が参加し、相模原市国保年金課の国保課長ら7人を民商会館に招いて、国保改善を要請。2人が減免申請書を提出しました。
冒頭、下地勝己会長=外壁工事=が事前に送付していた要望書を読み上げ、回答を受けました。下地会長は「中小業者は、物価高で所得が下り、消費税インボイス(適格請求書)で税負担が増え、国保税や介護保険料が上がっている」と窮状を訴え、負担軽減を要望。「今年度は決定通知書が届くのが遅く、届いてから納付期限まで1週間ほどしかない」と指摘し、改善を求めました。
市が独自に2022年度から実施している18歳以下の子どもの均等割減額について、来年度以降の継続を強く求めたのに対し、国保課長は「お話は十分、分かりました」と回答。
現行の健康保険証の存続を求めたことに対し、「(政府は)廃止、廃止と言い過ぎていますよね」と本音も漏らし、「『12月から新規の発行はなくなります』など実態に合わせた言い方に修正している」と答えました。
市独自の減免制度について、ホームページ等での記載が不十分であることを指摘し、減免申請書類の様式の公開などを求めたところ、国保課長は「様式なのか、減免制度の周知なのか、何が可能か検討させていただく」と前向きな姿勢を見せました。
参加者は「相談に行っても、窓口では減免や、納付の猶予の話は一切してもらえない」と実情を訴え、納税者に寄り添った対応を重ねて求めました。債権対策課は「状況を聞き、適切に猶予や減免の案内をするよう、新しい職員には必ず教えている」などと回答。しかし、他の参加者からも、不当事例や窓口対応に対する不満の声が続出し、窓口対応の改善を改めて求めました。
国保料20万円が9万円に 京都・上京民商など上京区役所と懇談し
京都・上京民商と上京生活と健康を守る会、上京区社会保障推進協議会の3者は9日、京都市の上京区役所保険年金課に「国保制度の改善、保険料引き下げ等」を求めて申し入れと懇談を行い、国保料の減免申請書を提出しました。民商から3人、生活と健康を守る会の理事の計4人が参加し、区は保険年金課長と係長が応対。保険年金課長は「直接、区民の声を聞く機会をいただき、感謝している。適用できる減免制度をできる限り案内したい」と述べました。
京極春日支部から参加したSさんは昨年、定年退職し、現在は無収入であることを示し、保険料減免申請書を提出。その場で担当者から、今年度の保険料約20万円が半額以下の9万円になるとの説明を受けて、安心した様子でした。
現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに保険証機能を持たせた「マイナ保険証」に一本化する問題では、現行の保険証の存続を求めつつ、「マイナンバーカードを持たない人に今後、発行される資格確認書は、現行保険証と同様に使えるものだと広く知らせてほしい」と要望。区側は「要望は本庁に伝える。マイナ保険証への対応は、国の指示が直前になるため、詳細が分からない」などと混乱する現場の様子がうかがえる懇談となりました。
国保料11万円6万円余り減 神奈川・厚木民商
11万5600円の国保料が半額以下の5万1800円に。6万3800円も減額され、うれしい!」―。神奈川・厚木民商の今年度の国保料減免第1号は第5支部の I さん=洋菓子製造販売。民商の相談会で申請書に記入し、6月28日に厚木市国保年金課に申請。11日後、「国保料減免の決定通知書」が届きました。”最低生活費の106%以下”の基準に該当し、所得割100%と応益割20%が減額に。 I さんは「”駄目もと”で申請して良かった」と笑顔です。