広がるがれき、人影も無く 国の支援不足を痛感 仲間の頑張り支えたい 大商連 支援物資を手渡し|全国商工新聞

全国商工新聞

能登民商の会員を励ます大正民商の藤田直樹会長(右)ら
支援物資を届け、喜ばれました

 大阪商工団体連合会(大商連)は6月14~16日の3日間、能登半島地震への現地支援に取り組み、井樋誠副会長=軽貨物=はじめ、大正民主商工会(民商)の藤田直樹会長=建設=と同三西支部の下鶴久夫支部長=クリーニング=など8人が参加。輪島市内の会員を訪問し、支援物資を手渡し、激励しました。

 14日、羽咋市から輪島市に向かう「のと里山海道」は、道路の崩落箇所があるため、一方通行になっており、道もガタガタ。車道から落ちた車がそのまま放置されている所もありました。輪島市では倒壊した家屋が多数残り、朝市通りは、がれきが広がる悲惨な状況で言葉が出ませんでした。行政やボランティアの姿はほぼ見ず、支援が圧倒的に不足していることがよく分かりました。
 15日は輪島市内で、能登民商の役員、事務局長と合流し、民商会員を訪問。民宿を営む会員は食料などを手渡すと、「あんたらが食べんかいねー」と気遣ってくれ、藤田さんが「何しに来たんか分からんがな」と笑って応じ、ねぎらいの言葉を掛けると、「ありがとう」と涙ながらに受け取ってくれました。
 香り高いコーヒーが人気の喫茶店を朝市通りで営んでいた会員は店、自宅とも全壊に。「仮設住宅に入ったが、これまでのつながりが途絶えた。商売を早く再開したい」と語りました。美容室では「お客の要望で、4月から再開した。窓ガラスは割れ、室内の片付けも残っていたけど、お客さんは『気にしなくていい』『料金の値引きも不要』と言ってくれた。必死で踏ん張っている人への国や県の支援があまりに少ない。しっかりしてほしい」と話しました。
 16日は、羽咋市の社会福祉協議会のボランティアとして引っ越しを手伝い、喜ばれました。能登町出身の藤田さんは「故郷の現状に心が痛んだ。政治と自治体の対応の遅れが本当にひどい。前向きで元気な会員の姿に、ぐっときた」。井樋さんは「会員から話が聞けすずて良かった。次回は珠洲市に支援に行きたい」と語り、引き続き大阪から支援を強めようと相談しています。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから