能登地震被災者 「申告期限の延長は可」 全商連の要請に国税庁、厚労省が回答|全国商工新聞

全国商工新聞

全商連と国税庁、厚生労働省との交渉

 「能登半島地震の被災者は、個別の被災状況に応じて、7月31日と定めた税金や社会保険料などの申告期限の延長は可能」―。全国商工団体連合会(全商連)が4日に行った緊急要請に対する国税庁と厚生労働省からの回答です。
 政府は6月14日、能登半島地震の被災地のうち、一部を除く石川県と富山県全域の所得税や消費税、社会保険料、労働保険料などの申告・納付期限を7月31日とすることを公表しました。それに対し、全商連は復興が進まず、営業再建もままならない被災地の現状を本紙7月8日号1面も示しながら伝え、「申告納付期限の延長」「納税緩和措置の積極適用」などを要請しました。
 国税庁は「被災地のライフラインや交通機関の復旧状況や住宅の状況を見て、5月31日を『「(災害などの)理由がやんだ日』とし、その2カ月後の7月31日を期限とした」と説明。「納税者の実情を踏まえ、引き続き申告・納税に困難があれば、個別の申請により期限の延長は可能だ」とし、納税緩和制度の適用も「当然のこと」と回答しました。

収受日付印押印を

 全商連の中山眞常任理事は、国税庁による確定申告書控えへの収受日付印押印の取りやめ方針についても、「税務署が納税者の求めに応じるのは当然だ。申告書やインボイス登録申請書を税務署が紛失した際、保存していた収受日付印のある控えを示し、提出した事実を証明した事例もある。押印を続けるべきだ」と重ねて要望しました。
 厚労省は、社会保険料の徴収期限について「国税と横並びの対応となる。災害に遭われた事業者には一定の配慮をし、納付困難である場合は猶予制度の活用をご検討いただく」としました。労働保険の申告・納付については「労働局で聞き取り、個別で期限の延長が可能だ。丁寧に対応したい」と答えました。
 中山常任理事は東日本大震災の際、社会保険料が免除された特例措置を挙げ、「災害全体の規模の違いはあるが、個々の被災者の被害は同じだ。被災事業者を救済する立場で、免除の制度化などに踏み出すべき」と指摘し、改善を求めました。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから