【能登半島地震】震災から半年 “心からの笑顔”が戻る復興を 励まし合い営業再建へ|全国商工新聞

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 「民商は、事業者同士が励まし合い、夢を語る場。心からの笑顔が戻るまで一緒に頑張ろう」「全商連も引き続き、支援の輪を広げていく」―。石川・能登民主商工会(民商)輪島支部は6月23日、「復興支援集会」を、輪島市内の会員の民宿「寅さん」で開催。輪島支部の会員50人のうち市外に避難した人をのぞいて大半となる30人をはじめ、全国商工団体連合会(全商連)や石川県商工団体連合会(県連)の役員など総勢40人が集い、震災からほぼ半年たった現状や求められる支援策などを意見交換。会員一人一人に、全国から寄せられた義援金を手渡し、励ましました。

被災業者に寄り添い 支援策への要望出し合う 石川・能登民商輪島支部が集会

「仲間同士で助け合い、復興と再建をめざそう」と励まし合った能登民商輪島支部の「復興支援集会」=6月23日、輪島市の会員の民宿「寅さん」

 集会で、能登民商の山口正造会長=建築=は「全国の仲間から、たくさんの支援と応援の声が届いています。民商は、事業者同士が助け合い、励まし合って、営業と暮らしを守り、夢を語る場所です。皆さんの復興と再建のため、心からの笑顔が戻るよう、これからも全力で支援を続けていきたい」と決意を語りました。

全商連も支援に

 全商連の藤川隆広副会長は「自然災害からの復興には政治の力が不可欠だ。ところが、今の自民党は裏金問題でガタガタ。国の力が及ばなくても、地元の人たちが復興しようという熱意を持ち、励まし合っていくことが大切だ。全商連としても全国に訴え、引き続き、支援の輪を広げていきたい」とあいさつ。同じく牧伸人事務局長は「発災直後から、県連・民商と連絡を取り合って、政府や省庁に要望を届けてきた。確定申告期限の延長などを認めさせ、補助金の運用の弾力化などを求めてきた。被災業者の要望を行政に届ける後押しを行っていく」と述べました。

若い人が出て行き

 その後の意見交換では「いまだに下水が使えないところも残されている。銀行の支店も閉まり、ATMも使えない」「国は自治体に丸投げで、『やってください』と言うだけ。権限を与えないので復旧が進まない」など復興の遅れへの不満や、「なりわい補助金は申請が煩雑。銀行からは申請手続きに係る手数料が月30~40万円という話も聞いた」「り災状況の判定が、住宅と事業用資産で違って面倒だ。書類もパソコンで作れとか、被災者に寄り添っていない」など支援策の不備の指摘が相次ぎました。
 「どんどん若い人が出て行っている。働く場もなく、残されるのは高齢者ばかり。人がいなくなれば復興はできない」などと、人口流出が続く現状への不安の声も上がりました。
 最後に、県連の宮田保廣会長=鉄工=が「商売を続けようとすれば、これから問題はいろいろ出てくると思う。県連として、何とか手助けしたいと考えている。いつでも相談してほしい」と呼び掛けました。
 元日の能登半島地震から1日で半年を迎え、6月25日時点で、石川県内の人的被害は死者260人(うち災害関連死30人)、行方不明者3人、住家被害は全壊8053棟など合計8万3980棟に上っています。輪島市など被災地では電気、上水道などライフラインは復旧したものの、倒壊した家屋の解体が進まないなど、復興の遅れに「1月1日から時間が止まったままだ」との声が聞かれる状況が続いています。

発災から半年近くたった朝市通り。被災建物の解体・撤去は始まったばかりです=6月24日、輪島市内

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