「7万5千人以上の署名に込められた『税務署は自民党の裏金議員をちゃんと調査せよ』との思いを受け止めてほしい」―。3日、国会内で、国税庁に対してこう要請したのは、裏金議員らの無申告に怒り、「国会議員の収入と支出に対する税の公正を求める」オンライン署名を呼び掛けた横浜市在住の吉野周さん=著述・講師(4月29日号2面既報)。この日、署名賛同者らとともに、2月24日の署名開始以降、3カ月余りで集まった署名7万5709人分を提出しました。
政治資金収支報告書に不記載・誤記載の収支があった自民党国会議員は85人、総額5億7942億円に達します。
吉野さんは署名提出に先立ち、「議員の手元に残っていた収入は課税対象であり、領収書の宛名が無かったり、摘要が”クレジット払い”となっているものは、税務調査の対象だ」と指摘。「国税庁ポスターに『脱税者は、見つかる。査察官は、見つける。』とある。一般の国民は1円単位で記帳し、確定申告しているのに、国会議員の数千万円、数百万円の裏金は放置するのか」と述べ、裏金議員への調査と公正な課税を求めました。
国税庁は署名を受け取り、「指摘された意見は、私どもも承知している」と述べました。裏金議員への税務調査については「国会議員も一般の納税者と同じく、問題がある場合は税務調査し、適正公平な課税に努めている」と言明する一方、「調査したのか、しないのか」との問いには、「個別の話は差し控える」と回答を避けました。
吉野さんは、自公、維新が合意し、6日に衆院を通過した政治資金規正法改定案について、「まるで”泥棒が泥棒を取り締まるようなもの”。パーティー券購入者の公開基準を5万円以下にするとか、政策活動費を10年後に公開するとか、抜け道だらけで無意味だ。徹底して真相を究明しない限り、問題の解決策は出てこない」と強調しました。オンライン署名は6月末まで継続する予定です。