青年部活動も大切にし 商売も民商も次代へ 全商連第7回経営対策交流会|全国商工新聞

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オンラインで
156カ所で視聴された全商連の第7回オンライン経営交流会

 全国商工団体連合会(全商連)は10日、「商売も民商も次代へつなごう」をテーマに、第7回オンライン経営対策交流会を開催。全国の民主商工会(民商)など156カ所で視聴されました。

 3民商の会員らが、事業承継と民商運動の継承について、青年部活動の大切さなどにも触れつつ報告しました。

不透明さを排除し安心感とつながり
(株)速水葬祭兵庫・伊丹民商会長 速水英城さん
伊丹民商会長の速水さん

 兵庫・伊丹民商会長で、「(株)速水葬祭」社長の速水英城さんは、かつては町ごとに葬儀屋が存在し、地域の葬祭を担っていたものの、リーマンショック後に廃業が相次いでいるなど、業界の厳しい現状を報告。”葬儀の値段は有って無いようなもの”で、精算時に見積もりの1.5倍になることが当たり前と言われる中、「わが社は不透明さを排除し、見積もり通り、請求している。僧侶の選定も、菩提寺との連絡なども行い、苦情が出ないようにしている」と経営方針を紹介しました。「地域や民商でのつながりが、仕事にもつながっている。『民商の人だから』ということが安心感につながっているのではないか。融資や経営など、リアルな話ができるのが民商の魅力」と語りました。

地域の現状を分析段ボール加工特化 
(有)久保製函所=段ボール特殊加工 宮城・塩釜民商 久保隆裕さん

 段ボールの特殊加工という大企業が参入してこない分野に商機を見いだし、売り上げを伸ばしてきたのは、「(有)久保製函所」を営む宮城・塩釜民商の久保隆裕さん。個別の注文に応じて加工した段ボール箱の製造・販売に特化することで、商売を引き継いだ2017年以降、売り上げを3割以上増加させてきました。直近では、コロナ禍で需要が高まった配送用段ボールの生産力を上げるための設備投資も行いました。「祖父が創業した当時から、漁港で水揚げされる魚の木箱や発泡スチロールの箱をメインに商売していました。塩釜市の人口が減り、漁獲高もピーク時の10分の1に落ち込むなど地域の現状を分析し、木箱や発泡スチロールからは撤退し、段ボール一本に絞ってきた」と事業の変遷を説明。今後の生き残りを図るため、業界の現状と自社の強みを分析していることなどを報告しました。「困った時には民商に相談し、記帳や経理の数字を基に原価計算などを行い、経営対策に生かしている。福岡で開かれた業者青年交流会(2018年)に参加し、青年部で困難や悩みを話し合い、交流できる良さを実感している」と述べました。

久保さんの工場
宮城・塩釜民商の久保さん
自分が動けるうち手渡してフォロー
(有)アートホーム豊友=内装工事 大分民商副会長 井上昌雄さん
青年部長 優治さん
大分民商副会長の井上昌雄さん(右)と青年部長の優治さん親子

 内装工事を手掛ける「(有)アートホーム豊友」を親子で経営する大分民商副会長の井上昌雄さんと青年部長の優治さんは、それぞれが青年部活動での経験などを語りました。
 昌雄さんは「21歳で民商青年部に入った。父親から商売を受け継いだのは24歳の時。父親がしたように、自分が動けるうちに、商売も、民商も後継者に手渡すことの大事さに、改めて気付かされている。現役でなければ、フォローができない。商売も、民商活動も、若い人なりのやり方がある。何でも家族で話し合うことで協力して乗り越える力になる」と優治さんに仕事を任せた思いを語りました。
 優治さんも「20歳で家業に入った当初は、父ともかなり衝突しましたが、技術や人との付き合い方など学ばせてもらった。祖父も、父も民商活動で家にいないのが当たり前だったので、自分の子どもには寂しい思いをさせたくないと考えていたのですが、今、自分が青年部活動に参加する際には、家族が全面的にサポートしてくれて、参加できています。青年部活動で、全国の仲間とつながったことで、刺激をもらっています」と報告しました。
 「青年部活動を常に離さないことが大切」「民商活動の良いところを引き継ぎ、親子で話しやすい民商にしたい」などの感想が寄せられました。

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