業者団体との要望が実る 旭川民商訪問対話で賛同広げ
北海道旭川市は3月議会で、2024年度で「廃止する」としていた「旭川市住宅改修補助金・性能維持工事」(住宅リフォーム補助)制度の継続を決めました。旭川民主商工会(民商)がこの間、会内外の事業者らと協力し、制度継続を求めてきた成果です。
旭川市の住宅リフォーム制度は、民商が2011年8月から、市内の建築関連業者団体を訪問し、要望書を集め、市に要請を重ねたことで2014年に創設されたもので、市民にも、事業者にも喜ばれてきました。ところが、市は今年に入り突然、制度の廃止を提案してきました。
これを受けて民商は2月9日、「補助制度拡充を求める」緊急要望書を市に提出し、懇談しました。谷川広光会長=建築板金=は「物価高騰で業者の営業は大変な状況だ。市民にも業者にも喜ばれる制度なので、予算をつけてほしい」と訴えました。
応対した菅野直行副市長は「財源が厳しくなる中、(制度開始から)10年が経過し、見直しが必要となった」などと回答。同席した日本共産党市議団から「昨年の議会質疑では、今後も事業を継続していく旨の答弁をしている。突然廃止するのはおかしい」と撤回を求める声が上がりました。
懇談を受けて、高橋勉副会長=塗装=が「市民に評判がいい制度を無くしては駄目だ」と、市内の建具組合や塗装組合などの業者団体、中堅リフォーム会社などを訪問し、「住宅リフォーム助成制度の継続を求める要望書」への賛同を求めました。訪問先では「そんな話は聞いていない」などと、市の唐突な廃止方針に戸惑う声が多く出されました。短期間にもかかわらず、集まった6団体34事業者分の要望書を3月12日に市に提出し、改めて制度継続を求めました。
併せて、共産党市議団が3月議会で「廃止を撤回し、予算を元に戻すよう」に追及しました。世論に追い詰められたのか、予算議決後の3月26日付で市から届いた要望書に対する回答では「住宅リフォーム補助枠を確保し、申請状況によっては予算を補正する」とあり、廃止方針を事実上撤回しました。
補助額は半額に
一方で、補助金額は以前の半額の一律5万円に改悪しました。谷川会長は「とりあえず、廃止を撤回させ、首の皮一枚つながって良かった。今後も、建築関連の事業者の意見を集めながら、制度の改善・拡充を求めていきたい」と話しています。