能登半島地震から1カ月 被災者の生活取り戻す支援急げ|全国商工新聞

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 石川・能登半島地震発生から1カ月以上が経過しましたが、被災者はいまだに日常生活を取り戻せていません。ライフライン復旧や、被災者が安心して暮らせる住まいなどを提供する支援が急務です。会員の大半が被災した能登民主商工会(民商)と石川県商工団体連合会(県連)は、役員と会員、事務局員が一枚岩となって支援活動に奮闘。全国商工団体連合会(全商連)に寄せられた義援金や民商に届いた水・食料などの物資を配り、「助かった」と喜ばれています。
 石川県全体で5万棟以上の住宅に被害が生じ、今なお1万4千人超が身を寄せる避難所の生活はプライバシーが保障されず、安心して休める場所もなく過酷を極めています。仮設住宅建設を急ぐとともに住宅の応急修理に対する支援金の大幅増額や被災者生活再建支援金を引き上げなければなりません。水道などのライフライン復旧が遅れ、能登地方を中心に断水が続いている約4万戸の復旧は2月末から3月末に、一部地域は4月以降になる見込みです。一方で民商会員の建築業者など、地域の復旧・復興に踏み出そうとする意欲も高まっています。まちの復興や生業再建のためにも、被災業者の直接支援は待ったなしです。
 2日の参院本会議で、日本共産党の田村智子議員が避難生活の改善を迫りましたが、岸田文雄首相は、いつまでに何をするのかを具体的に語りません。生活再建支援については、新たな交付金制度の創設に言及したものの「見舞金的性格として被災者を側面的に支援」として所得税の課税対象に位置付け、対象も「半壊以上の高齢者世帯」に限定しました。重大なトラブルに見舞われた志賀原発の廃炉についても「それぞれの事業者が判断」と無責任に回答。2025年の大阪万博開催は、復興の妨げになると指摘され、中止や延期を求める世論が広がっていますが、耳を傾けません。
 全商連はこの間、被災業者の苦難軽減を求めて関係省庁へのヒアリングなどを重ね、税負担軽減や補助金制度、資金繰り支援などを要請し、一部は実施されます。被災者が一日も早く日常生活を取り戻せるように支援活動を強め、国や政治にも支援策実施を要求していきましょう。

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