政府は1月から、国民健康保険(国保)の被保険者で、出産予定または出産した人の均等割額と所得割額を減免する制度を開始しました。
子育て世代の負担軽減や次世代育成支援等の観点から、国・地方の取り組みとして始めたもので、所得制限はありません。概要は下記の通りです。
【対象者】
2023年11月1日以降に出産予定、または出産した国保被保険者。妊娠85日(4カ月)以上の出産が対象(死産、流産、早産、人工妊娠中絶を含む)。
【減免対象月】
単胎妊娠・出産の場合は、出産予定日が属する月の前月から、出産予定日が属する月の翌々月までの計4カ月分。多胎妊娠・出産の場合は、出産する予定日が属する月の3カ月前から、出産予定日が属する月の翌々月までの計6カ月分(図1)。ただし、減免対象月は24年1月からとなります。例えば、23年11月が出産予定日で単胎妊娠・出産の場合、減免対象月は24年1月分のみとなります(図2)。
【減免額】
産前産後期間の所得割額および均等割額の12分の1に減免対象月数を乗じた額。
【届け出】
出産予定日の6カ月前から届け出が可能です。出産後は、算定期間内(国保料で2年、国保税で5年)であれば、さかのぼって届け出が可能です。
【必要書類】
届け出書と母子健康手帳など。
民商に相談して申請 「子育てに優しい制度」
「子育てに優しい制度が実現して、うれしい」と喜ぶのは、岐阜南民主商工会(民商)婦人部の青木若菜さん=建設。昨年11月に無事、第3子を出産しました。全商連共済会に加入していた若菜さんが出産祝金を申請した際、事務局員から「国保の産前産後の減免制度が新たにできたから、ぜひ活用して」と教わりました。
若菜さんは4日、免除申請をするために事務局員と一緒に羽島市役所の保健年金課へ。職員は「まだ出来たばかりの制度で、市のホームページなどで周知できておらず、すみません」と混乱している様子でした。最終的には課長が出てきて申請手続きを行い、「申請は以上です。減免額は2500円です」と頭を下げてくれました。「産前産後期間の国民年金の免除」が未申請だったことも分かり、申請の手続きを進めています。
若菜さんは11月に出産したため、減免期間は1カ月分だけでしたが、「子育てには、お金がかかります。ほんのちょっとでも助かりますよ」と笑顔で話していました。