【能登半島地震】被災者に寄り添い 全商連 金融庁・国税庁にヒアリング 資金繰りなど柔軟な対応を|全国商工新聞

全国商工新聞

 「能登半島地震の被災者に寄り添った柔軟で丁寧な対応を」と、全国商工団体連合会(全商連)は5日、金融庁・国税庁に対し、災害救助法が適用された地域での被災事業者の資金繰り支援や納税・申告期限の延長など当面の支援措置について緊急ヒアリングを行いました。

【金融庁】手形取引など配慮要請 金融機関に文書発出

資金繰り支援などを求めた全商連の金融庁ヒアリング

 金融庁は2日付で、金融機関などに対し、「令和6年能登半島地震にかかる災害等に対する金融上の措置について」を発出。
 ①預金通帳などを紛失した場合でも、払い戻しに応ずる②支払期日が経過した手形について、関係金融機関との話し合いの上、取り立てができるようにする③支払いができない手形・小切手について不渡り報告への掲載および取引停止処分に対する配慮を行う―などを要請したと述べ、資金繰りについても「条件変更等に柔軟に応じるよう求めている」ことを紹介しました。
 全商連の中山眞常任理事は「被災地の石川県輪島市などでは手形決済がまだ多く残っていると聞いている。不渡りにならないよう金融機関への周知を徹底してほしい」と要請。「石川県に限らず、新潟県や富山県でも、観光・飲食関係などでは1、2月の書き入れ時の収入を失った事業者が多くいる。金融庁の要請が実効力のあるものになるよう周知を徹底してほしい」と求めました。

【国税庁】所轄の税務署に相談を 申告期限の延長で

地震により倒壊した店舗=七尾市内

 国税庁は、年末調整後の源泉所得税の納付期限の延長について「状況が落ち着いて、納付する時点で延長申請を同時に提出していただければ期限内の扱いになる」と述べました。確定申告期限の延長については、被災地域全域を指定するかは検討中としつつ、「これまでの震災では、地域指定がされてきている」と述べ、「指定されていない場合でも、個別の状況に応じて、申請により延長に応ずる。まずは所管の税務署に相談してほしい」と答えました。
 中山常任理事は「火災により帳簿書類を失った事業者などもいる。税務署で相談を断られることがないよう、実情に応じた丁寧な対応を」と重ねて要望しました。


 >> 【能登半島地震】会員も甚大な被害 石川県連など 救援活動に全力

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから