【談話】大企業・富裕層優遇税制をただし、消費税減税・インボイス即時廃止を要求する|全国商工新聞

全国商工新聞

2023年12月15日
全国商工団体連合会
事務局長 岡崎民人

全商連は12月15日、以下の談話を発表しました。

 自民、公明の与党税制調査会は14日、「2024年度税制改正大綱」(税制大綱)を取りまとめた。
 その内容は、国民が望む消費税減税を無視し、物価高の中で新たな負担を押し付けるインボイス制度の定着を図るものとなっている。
 個人所得課税のあり方に関わって、記帳水準の向上のために青色申告制度の見直しの検討を行うとした。課税情報とマイナンバーの紐づけ、キャッシュレス納税の推進など税務行政のデジタル化による課税と徴収の強化を打ち出していることも見過ごせない。納税者が申告後に税額の減額を求める更正の請求で「不正」があれば、重加算税等を課す措置が取れるよう見直すとし、税務調査に対する非協力や納税者の不正への第三者による加担行為への対応についての検討も明記した。
 1回限りの所得税・住民税4万円減税を実施するが、この後には、東日本大震災の復興特別所得税を軍事費に流用し実施期間を延長するなどで財源を確保する、軍拡大増税が待ち構えていることも鮮明になった。
 際立っているのが富裕層と大企業への減税である。主に大企業幹部しか受けられない新株予約権の行使による利益の非課税等(ストックオプション税制)の枠を大幅に引き上げることを盛り込んだ。半導体や自動車の特定の大企業を優遇する法人税減税をはじめ、大企業が所有する特許権や人工知能技術を活用したプログラムの著作権の譲渡や貸し付けを行う場合の減税策を創設する。
 4閣僚が交代するなど自民党のパーティー券を巡る裏金疑惑が底なしの広がりを見せる下で、大企業優遇税制を温存し、国民が望む消費税減税を拒否する税制大綱に断固抗議する。
 効果が薄い賃上げ税制の拡充も盛り込まれたが、企業の人件費にかかる消費税を減税する方が賃上げには効果的である。国民向け予算を犠牲にし、アメリカ言いなりに敵基地攻撃にまで踏みこむ大軍拡は憲法に反しており、即刻中止すべきである。
 全商連は、生活費非課税・応能負担の税制の実現と「納税者権利憲章」の制定を求めるとともに、消費税減税・インボイス即時廃止を強く要求する。

以上

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