今年度、全23市町のうち7割を超える17市町で国保料・税が引き上げられた広島県。「これ以上の負担は無理。国保料・税を引き下げてほしい」と、広島県商工団体連合会(県連)と県連共済会は11月15日、県健康福祉局国民健康保険(国保)課に要請。湯崎英彦知事宛ての「国保料・税の引き下げを求める要望署名」4448人分も提出しましたが、応対した国保課長と主査は「応分の負担は仕方ない」との態度表明に終始しました。
県連の坂井哲史副会長=損保代理店、県連共済会の平野和弘理事長=建設=ら5人が参加。
県連共済会の作田訓洋専務理事が「県内の自治体で国保料・税が年々上がり、中小業者の営業と生活が大変になっている。寄せられた署名に応え、国保料・税の引き下げを」と訴え。しかし、課長は「国保制度は社会保障制度の一部。みんなで支え合う制度であり、加入者が応分の負担をするのは仕方がない」との受け止めだったため、参加者は「今の国保料・税は負担の限界を超えている。中小業者が所得税や市民税、消費税を納め、国保料・税まで収めると、生活保護基準以下となる実情がある」などと、仲間の声を代弁しました。
県連の寺田拓也事務局長が「払いたくても払えない実態を、どのように受け止めているのか」と問うと、「所得に応じて設定されており、所得の少ない方に払えない保険料を課している認識はない。払えない状況があれば、減免制度などを活用してほしい」と答えました。
坂井副会長は「厳しい状況で事業を続け、ギリギリの生活をしている仲間も多い。高過ぎる保険料の負担は、とても無理」と強調し、重ねて引き下げを求めました。
参加者が「県として国保会計に法定外繰り入れを行えるか」と尋ねると、課長は「適正ではない」と回答。「適正かどうかではなく、できるかどうかを聞いている」と追及すると、「できなくはない」と述べました。
「全国知事会は、将来にわたり持続可能な国保制度の確立に向けて、財政支援を今後も国の責任において確実に行うことを求めている。国への要望と併せ、県も法定外繰り入れを行い、払える国保料・税へ改善を」と重ねて強く求めました。
国保の県単位化では、国保料・税の県内統一を推進する一方、県民に対し、どんな医療を提供していくのか、納税相談にどう対応していくかなどの観点が欠落している、と指摘。高過ぎる国保料・税の厳しい徴収や実態に合わない減免規定の見直し、健康診断の負担軽減など、県が主導して見直すことを訴えました。