「共同の力で公正な取引の実現を」と、全国商工団体連合会(全商連)も実行委員会に加わる第10回「地域の活性化で企業も労働者も元気に!交流集会」が5日、東京都内でオンライン併用で開催。会場に40人が参加し、全国40カ所で視聴されました。
新自由主義からの転換こそ
全労連の秋山正臣副議長が主催者あいさつ。「地域の活性化には、労働者の賃上げが不可欠だ。そのためにも、中小企業の公正な取引環境を構築できるよう、経済システムを協力・共同で転換しよう」と呼び掛けました。
全商連の藤川隆広副会長=包装資材製造=は「不公正取引是正で、賃上げ環境の整備を」のテーマで、直近の原材料値上げの状況と利益確保に向けた価格交渉の実情を報告。「ポリエチレンは1年間で5回も値上がりした。その他の経費も全て上がっており、とんでもない状況だ。お客との価格交渉も続けているが、社会保険料は毎月納付なので、運転資金の確保が重要」と指摘。「こうした下で、岸田政権は消費税インボイス(適格請求書)制度を強行した。免税事業者が取引から排除されるなど、不公正取引を助長している。インボイス廃止と消費税減税は、今すぐできる有効な物価対策だ」と訴えました。
日本共産党の大門実紀史前参院議員が「日本経済と地域、中小企業―賃金引き上げの重要性と中小企業を巡る状況、課題」と題して講演。長期にわたって日本経済が低迷する原因は「賃金が上がらないことにある」と指摘。「小泉・竹中構造改革以降、非正規雇用の拡大と社会保障改悪を続けてきた新自由主義の転換が求められている」とし、大企業の内部留保に時限的に課税し、中小企業を支援することで最賃を引き上げる共産党の政策を説明しました。
中小企業家同友会全国協議会の加藤明彦副会長が特別報告。「エネルギー価格や資材の高騰分は価格に転嫁できているが、人件費の上昇分は転嫁できず、”自己努力で何とかしてほしい”と要請される」と、大手企業と自らが経営する金属加工業の取引の実情を明かしました。いまだに残る手形決済が資金繰りの厳しさを招いており、「全てを現金取引にする以外、問題は解決しない」と語りました。
全印総連から「資材高騰分の価格転嫁問題」、東京土建杉並支部から「公契約条例制定の運動」についての実践が報告されました。