報道各社による10月末の世論調査で、岸田政権の内閣支持率急落が明らかになりました。「日経」とテレビ東京で前月比9ポイント減の33%、テレビ朝日系ANNで約4ポイント減の26.9%となり、いずれも政権発足後の最低を更新しました。
岸田政権は「防衛増税」と一体に敵基地攻撃能力保有への大軍拡に突き進んでいます。10月からは事業者間の取引や力関係を利用して免税事業者に消費税を納税させるインボイス制度を強行し、中小業者やフリーランスの憤りを広げています。岸田首相が来年度の所得税減税を表明しても多くの国民は「人気取り」だと厳しい目を向けています。
臨時国会では経済や平和を巡る激しい論戦が交わされてきました。許し難いのは「野党」ながら、岸田政権の悪政を補完する勢力の策動です。
日本維新の会の馬場代表は、非正規雇用による低賃金・経済停滞を無視して「労働市場の流動化を促す」としました。同じ職場で格差と貧困が問題とならないよう「企業別労働組合制度の廃止」まで要求。安保政策の大転換も「日本が戦後の空想的平和主義から抜け出し(た)」と持ち上げました。その上で「近い将来の台湾有事、すなわち日本有事が日に日に現実味を増し(ている)」とあおり、首相に自民党総裁任期である1年以内の改憲も迫っています。
国民民主党の玉木代表が電気代値下げを理由に、東京電力・柏崎刈羽原発など原発の早期再稼働を主張したことも見過ごせません。安全性も、高レベル放射性廃棄物処理でも福島原発事故の反省や教訓を投げ捨て、岸田政権の「原発回帰」にすり寄る姿勢です。憲法でも「臨時国会で改正条文案を取りまとめ、来年の通常国会で発議」をと迫ります。維新と共に、国民無視で改憲をけしかける異常な態度です。
こうした中、参院徳島・高知選挙区補欠選挙での統一候補の勝利もあり、日本共産党や立憲民主党との新たな共闘機運が高まっています。「インボイス問題検討・超党派議員連盟」と連携し、廃止法案の審議を生かして、次の総選挙での一大争点に押し上げることも強く求められます。「税の在り方と使い道」を正す世論と運動で、政治の流れを変えるたたかいに勇躍して取り組みましょう。