関西電力が電気量2か月分支払い強要 全商連が経産省に指導など要請|全国商工新聞

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関西電力への是正指導などを求めた経産省への要請

 新型コロナ対応の電気料金支払い猶予措置の段階的終了に伴い、関西電力(関電)が2カ月分の支払いを強要している問題で、全国商工団体連合会(全商連)は10月23日、経済産業省に対し、是正指導と納付困難な中小業者への柔軟な対応を求めました。
 コロナ禍の影響により、電気・ガス料金の支払いに困難な事情がある事業者に対し、政府は電気・ガス料金の支払いの猶予について、柔軟な対応を電力会社等に要請し、負担軽減策として活用されてきました。新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行したのに併せて猶予の打ち切りが決まると、関電は中小業者の実情を全く顧みることなく、2カ月分の支払いを強要。「電気を止められて、酸素吸入器など医療機器が使えずに病院に担ぎ込まれた」「『払うのが嫌なら他の電力会社に移ればいい』と聞く耳を持たず、相談に乗ってもらえない」「2カ月分は200万円近く。資金繰りが追い付かなければ、工場を閉めるしかない」などの実態告発と相談が寄せられています。

「由々しき事態」

 要請では、強圧的な取り立ての事実を把握し、生存権を脅かす事態の是正へ指導を求めました。省側は、10月20日に関電から聞き取りを行ったことを明らかにし、「支払いが困難な場合、事情に応じた対応をするよう求めた。関電のホームページにコンタクトセンターがあり、個別の相談を受け付ける」と答えました。
 納付困難な中小業者に対して、納付相談を丁寧に行うなど柔軟な対応を求めたことに対し、「命に関わる事例は由々しき事態だ。一つ一つの事案を丁寧に聞き、納付相談に乗るよう求めていく」と答えました。
 全商連の中山眞常任理事は「電力会社の対応任せにするのではなく、国から『個別に相談に乗ります』『相談窓口があります』とアナウンスすべきだ」と重ねて要請。「融資の返済の場合でも、支払いがきつくなれば、金融機関が返済スケジュールの見直しに応じる。一方的に決めた納付金額を押し付けることが深刻な事態を引き起こしている。行政としても対応を」と求めました。
 日本共産党の倉林明子、岩渕友、井上哲士の各参院議員が同席し、電力各社で同様の問題が起きていないか把握し、国として事態を打開するよう求めました。

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