コロナ禍でフレイル(虚弱)が増加 いのちと健康守る活動を旺盛に|全国商工新聞

全国商工新聞

 今年は例年に比べ、暑い夏が長く続きましたが、ようやく朝晩の気温も下がり、過ごしやすくなってきました。この秋はイベントや祭りが、人数の制限などもなく行われています。
 2020年から感染が広がった新型コロナウイルスの影響で、外出やレジャーを「自粛」した人も多く、そのことが健康にも影響を与えています。筋力や心身の活力が低下するフレイル(虚弱)の人が増えているとの結果を、日本生活習慣病予防協会がまとめました。医師への調査によると、フレイルに該当する人が「かなり増えている」11・8%、「増えている」31・8%、「やや増えている」38・2%で8割を超えています。高齢者の割合が多いのと同時に、40代、50代でも増加の傾向にあります。原因として挙げられるのは、筋肉量の低下、運動習慣や外出機会の低下などです。
 フレイルを防ぐには、定期的な運動、歩く時間を増やす、十分な睡眠やバランスの良い食事などが大事とされています。全商連共済会の集団健康診断中間まとめ(23年4~9月)によると、何らかの再検査、治療などが必要な「有所見率」は86・4%と高い数値が示されています。指摘された疾患は、高血圧、糖尿病、脂質異常、肝機能、高脂血症の順に多く、生活習慣病と呼ばれるこれらの改善には、適度な運動や食生活の改善、ストレスの解消も有効です。
 全商連に届く全国各地の民商ニュースには、4年ぶりとなるバスハイク、パークゴルフ、バーベキューなどの取り組みが紹介されています。「久しぶりに集まって楽しい時間を過ごせた」「体も動かし、近況も出し合ってよかった」などの感想も寄せられています。
 中小業者は厳しい経営環境の下で、睡眠時間や休みを削り、無理をして営業をせざるを得ない状況もあります。コロナ禍によって、医療・福祉の脆弱さが浮き彫りになりました。社会保障改悪に反対し、医療・介護などの拡充を国に迫ると同時に、イベント参加や健康診断を受けるなど、健康について考える機会をつくることは、経営上も大切です。青空の下、体も動かして楽しく食事し、大いにリフレッシュしながら健康増進を図りましょう。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから