地域・業種限定せず賠償 全商連・福島県連 汚染水で要請、東京電力が明言|全国商工新聞

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「影響を受ける全ての事業者が賠償を受けられるように」と要望する参加者

 全国商工団体連合会(全商連)と福島県商工団体連合会(県連)は9月14日、福島第1原発事故の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出に伴う風評被害の賠償手続きについて、経済産業省と農林水産省、東京電力から説明を受けました。県連の二宮三樹男会長、斎藤朝興副会長、相双民主商工会(民商)の中島孝さんが参加し、日本共産党の岩渕友参院議員が同席しました。
 経産省は「2022年度補正予算で300億円の基金を積み、23年度補正予算案でさらに500億円を積み増しし、海洋放出の影響のある漁業者への支援を行う」とし、国内消費の拡大や風評被害への対応を進めるとしました。
 東電の担当者は、「賠償受け付けは10月2日から、請求書の発送は11月20日からを予定している」とし、支払いの対象となるのは「地域・業種を限定せず、海洋放出前から事業を営んでいる事業者」で、逸失利益の算定は「統計データなどを基に推認し、確認できない場合には事業者ごとの被害実態を確認する」と説明しました。
 「生業を返せ、地域を返せ!福島原発訴訟」の原告団長も務める中島さんは「政府は水産業を守るパッケージとして1千億円超を予算化し、県内で大量のCMを流しているが、こんなことにお金をかけるなら、放出をやめるべきだ」と訴えました。
 二宮会長と斎藤副会長は、営業損害の賠償が2015年に一方的に打ち切られた事実を指摘し、「海洋放出の賠償は長期にわたるが、継続される保証があるのか」と懸念を表明。
 全商連の中山眞常任理事は「地元産の魚を仕入れる飲食店や小売店も対象にし、影響を受ける全ての事業者が賠償を受けられるように」と要望しました。

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