西東京民主商工会(民商)の木村重行さん(仮名)=建設=は6月1日、「売掛金の差し押さえ予告」の撤回を求める請願を西東京市に申し入れ、是正させました。
木村さんは2021年3月、勤務していた会社の社長が急死したことを受けて、急きょ経営を引き継ぐ形で開業しました。昨年1月に大腸ポリープで2週間の入院・休業を余儀なくされ、資金繰りが悪化。市民税・国民健康保険(国保)税の納付が滞ることになったため、同4月に市民税課と相談。「当面、金額を相談しつつ納付する」ことを確認し、毎月5万円ほどを納付していました。ところが同6月、市納税課から「差し押さえ予告通知」が届きました。
市役所に相談に訪れた木村さんに対し、担当者は「23年6月までに滞納市税全額(約70万円)を一括で納めなければ、売掛金を差し押さえる」と言い、「予告なく財産の差し押さえを受けても異議なし」とする「納付誓約書」への署名を強要しました。木村さんは12月に新型コロナに感染して仕事ができず、資金繰りがさらに悪化し、困り果てて民商に相談、入会しました。
民商は「自主計算パンフレット」を使って、納税者の権利を学習。生存権的財産は守られるし、総務省が通達(21年2月2日)でコロナ感染等の影響があった場合には、徴収猶予制度を柔軟に活用するよう求めていることを確認。
市長宛ての請願書をつくり、民商会長の野口渉さん=重機修理=ら5人で申し入れを行い、「商売をつぶすような強権的な徴収はやめよ」と訴えました。
納税課長は「売掛金の差し押さえはしない」と約束。事業の実情に応じた納税方法を相談することになりました。
木村さんは「たたかってこそ商売は守られることを実感しました。民商の仲間に感謝しています」と笑顔で語っています。