「STOP!インボイス」「インボイス増税反対!」。漫画家らが描いたキャラクターたちが画用紙の上から訴えました。「インボイス制度について考えるフリー編集(者)と漫画家の会」が6月20日、衆院第2議員会館前で行った街頭宣伝です。延べ100人が参加し、オンライン配信は約600カ所で視聴されました。インボイス反対の声を上げる漫画家らが屋外で行動するのは初めて。
山形市内でも同日朝、「STOP!インボイスやまがた」が漫画家街宣を行いました。また、「フリー編集(者)と漫画家の会」は街宣に合わせて、出版業界で働く編集者のアンケート結果を公表しました。
議員会館前では、著名な漫画家をはじめ、SNSで宣伝を知った漫画家や編集者らが次々と参加し、その場でイラストを描き上げました。イラストには「STOP!インボイス」や「インボイス増税反対!」、「NO消費税」などの文字が書き添えられ、次々と路上に並べられました。漫画家らの思いが描かれたイラストは4時間余りの行動で30枚以上になりました。
マンガ・イラスト作家のbomiさんは「私たちは収入が不安定です。仕事が好きだから我慢してやっているけど、生活も大事。でも、インボイスで課税事業者になると、1カ月分くらいの収入が無くなります。物価高でも原稿料は上がらない。それでも税金だけ、きちんと取られるのに怒りを感じる」。漫画家の環望さんは「『会』の活動を知り、何かやらなければと参加しました。私自身は課税事業者ですが、必死で食いつないでいるアシスタントに、これ以上負担させるわけにはいかない。そうすると、僕が消費税を払う額が増えますね。インボイスは中止してほしい」。
SNSを見て参加した漫画家・イラストレーターの速水螺旋人さんは「自分だけの問題ではなく、これからの新人さんが苦労するので、声を上げ続けたい。政府がフリーランスの待遇改善を進める一方で、税や事務負担を増やすのは矛盾していますよ」。
漫画家・クリエイターの鴨下全生さんは、「国は『クールジャパン』といってサブカルを推進しつつ、そのサブカルをつぶすようなインボイス制度を導入するなんて理解不能です。知り合いのクリエイターも『私たちを見殺しにするのか』と言っていました。インボイス制度をやめさせたい。諦めずに声を上げ続ける」と議員会館に向かって訴えました。
元自民党衆院議員の安藤裕税理士や神田知宜税理士も駆け付けました。神田さんは「インボイス中止に向け、最後までやれることを全てやろう」とエールを送りました。
漫画家の由高れおんさんは、参加者に「業界が衰退すると感じて昨年、一人で活動を始めました。諦めたくない。何とかして変えないといけない。インボイス制度は、誰が何と言おうと悪法です。この制度を中止させようと声を上げ続けよう」と呼び掛けました。