全青協 実態調査で要求掘り起こし 「業者青年に支援を」3省庁に要求ぶつけ|全国商工新聞

全国商工新聞

 全商連青年部協議会(全青協)は6月18日、東京・全商連会館をメイン会場に、オンラインを併用して第3回幹事会を開催。三役・幹事ら26人が出席しました。「全国業者青年実態調査」の取り組みを交流し、3482人分を集約した前回を超えるアンケートを集め、9月の第4回幹事会までに、部員現勢1万人回復をめざすことなどを確認しました。翌19日には、13人が3省庁と交渉を行い、インボイス制度の実施中止や物価高騰分の価格転嫁対策、社会保険料負担の軽減など業者青年の切実な要求をぶつけました。

経産省、中企庁
小規模事業者に合わせた支援を

「業者青年の生の声を、政策に生かしてほしい」とあいさつする佐々木亮議長

 経済産業省、中小企業庁には、消費税減税とインボイス実施中止や価格転嫁対策、原油・資材高騰への補助制度創設、資金繰り支援などを求めました。山形の代表と兵庫の代表、鳥取の代表が、インボイス実施で取引慣行が壊されようとしている建設業の実態を告発。「建設業界は一人親方で成り立っている。夢を持って業界に入ってきた若者をつぶすのか」、「外注先に、インボイス登録を迫るのが心苦しい。新たな税負担と事務負担の増大に不安が広がっている」、「日当1万5千円で働く後輩の生活は、ギリギリだ。消費税負担など、できるわけない」と迫りました。
 中企庁は「懸念の声は承知している。庁としては、円滑な導入のため、事業拡大を支援する各種支援制度でサポートするほかない」との回答にとどまりました。
 北海道の代表と広島の代表は、物価高騰下での価格転嫁の難しさを強調。庁側は「毎年3月と9月の『価格交渉促進月間』に転嫁状況を調査し、150社の結果を公表したことで、価格転嫁に対する企業の意識が少しずつ変わってきている」と回答しました。
 佐々木議長は、持続化補助金について「審査に時間がかかり、申請を見送る人もいる。小規模事業者に合わせた即効性ある補助制度を」と要望。自治体と連携した「少額、リアルタイム審査」の補助金創設を提案しました。

厚労省
マイナ保険証へ 一体化は中止を

健康保険証廃止について「立ち止まるべき」と迫る大分の代表

 厚生労働省には①社会保険料の負担軽減②個人事業主の社会保険特別加入制度の創設③国民健康保険の傷病手当と出産手当の創設④健康保険証廃止とマイナンバーカード一体化の中止―を求めました。
 省側は、社会保険料について「労働者の健康保持や増進は、事業主の利益にもつながる。減免は適当でない」と回答。佐々木議長は「標準報酬月額の上限を引き上げ、料率引き下げなどの工夫で、保険料引き下げの検討を」と重ねて要望しました。
 個人事業主の社会保険特別加入について、省側が厚生年金への加入と混同して回答していたため、佐々木議長が「年金ではなく、健康保険の問題だ。傷病手当や出産手当など、安心して仕事ができることで、生産性向上にもつながる」と、ただしました。広島の代表は、従業員を任意で社会保険制度に加入できる「任意適用」制度の周知徹底を求めました。
 大分の代表は「修学旅行に健康保険証のコピーを持参しているが、マイナカードに一体化したら、どうするのか」と質問。省側は「対応について整理中」と答えたため、「紛失の危険性から、コピーを持参していたはず」と指摘し、「いったん立ち止まり、ゼロから再検討を」と迫りました。
 岩手の代表は、経産省と厚労省に「解体業者から『アスベストの事前調査が義務化され、調査費用の数十万円が価格に転嫁できない』との声が上がっている。支援策の検討を」と求め、省側は「持ち帰って検討する」と述べました。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから