インボイス登録促す文書送付 「実施中止」の声 さらに大きく|全国商工新聞

全国商工新聞

 政府は7日に発表した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案に「インボイス制度の円滑な導入」を書き込みました。国税庁はインボイス登録を促す封書を送っています。
 インボイス制度を「中堅・中小企業の活力向上」と位置付け、税金を使ってインボイス登録を促す政府・国税庁に批判の声が上がっています。
 「国税庁から文書が届いた」という声は5日までに、山形、群馬、千葉、神奈川、山梨、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、鳥取、福岡、長崎などの民商役員や事務局から寄せられました。国会議員の自宅や民商、県連にまで送られています。
 同封書については、9日の衆院財務金融委員会でも取り上げられました。日本共産党の田村貴昭議員が「私のところにも届いた」と紹介し、送付対象者、送付件数、かかった費用をただしました。国税庁次長は送付先について、今年4月以降インボイス登録済みの事業者や免税事業者に幅広く送付しているとし、個人については所得税の申告をしたことがある方、法人は公共法人と休業中の法人を除く全ての法人を対象に1286万者に送り、郵送費用は2億6700万円、同封した税制改正リーフレットの作成費用は426万円と答えました。
 政府や国税当局の動きは、インボイス登録が思うように進んでいないことに対する危機感の表れです。
 10月まで4カ月を切り、強引に実施しようとする政府に対して、「STOP!インボイス全国一揆」をはじめ、インボイス制度を考えるフリー編集(者)と漫画家の会による国会前街宣(20日)など実施中止・延期を求める行動が相次いで組まれています。
 登録取り下げが4千件を超えて増え続け、地方自治体からの実施延期・中止を求める意見書が全会一致での採択を含めて増加しています。
 国税庁の動きを広く知らせ、実施中止・延期の立場で広範な中小業者、フリーランスの不安や悩みに応える相談会や学習会を大規模に開催していくことが求められています。「10月実施はインボイスではなく消費税減税」の宣伝を強め、地方議会や地元選出国会議員への働き掛けが重要です。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから