高過ぎる国保料・税 「提言」力に受療権実現の運動を|全国商工新聞

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 6月に入り、今年度の国民健康保険(国保)料・税の納付書が各自治体より送られてきています。新型コロナウイルス感染症により収入が減少するなどの影響を受けた被保険者に対して実施されてきた特例減免制度も終了し、高過ぎる保険料・税額に、多くの中小業者らが頭を抱える状況です。
 政府による新型コロナの5類引き下げ方針が発表された3月下旬以降、全商連には税金滞納と合わせ、社会保険料や国保料・税の滞納による差し押さえ相談が急増。健康保険証を取り上げられ、受診抑制に追い込まれる事態も発生しています。
 そもそも国保制度は、日本における国民皆保険制度の中核をなすものとして、“国が責任を持って財源を確保し、国民に必要な医療を給付する社会保障制度”のはずです。
 高過ぎる国保料・税は、1984年に国保法が改悪され1兆円もの国庫負担が削減されたことが最大の原因です。かつて45%だった医療費に対する国庫負担率は30%程度にまで引き下げられ、地方自治体は国保財政の悪化を補うため、国保料・税の値上げを強いられました。収入に関わりなくかかる「応益割」(平等割と均等割)で賦課され、低収入世帯や家族が多い世帯ほど負担が重くなる仕組みもあり、加入者の生活実態に見合わない額になっています。
 東京都豊島区の制度に基づいて試算すると、事業所得240万円で本人・配偶者ともに40歳代、子ども1人の3人家族の場合の国保料は、介護保険料も含め年間約45万円もの負担となります。
 全商連は、昨年12月に「国保提言2022」を発表し、国保制度を社会保障らしく発展させるために、国保加入者の実態や「都道府県単位化」の問題点を明らかにし、国庫負担の引き上げで、無理なく払える国保料・税にすることや、減免と窓口負担の軽減で医療を受ける権利(受療権)、健康に生きる権利(健康権)の実現などを求めています。
 各地の民商では、納付書が送られてくるこの時期に、国保納付相談会や集団減免申請行動などに取り組んでいます。「国保提言」を力に、受療権や健康権の実現を求めつつ、「払える国保料・税に」の運動を広げましょう。

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