全国商工団体連合会(全商連)は5月12日、小規模事業者持続化補助金を巡る運用について、中小企業庁に要請しました。コロナ禍やロシアのウクライナ侵略などの影響を受け、事業実施期間内に必要な設備什器が納品されない事態が発生しており、その際の事務局の対応をただしました。
岩手・一関民主商工会(民商)の設備工事の会員は、昨年11月に補助金の支給決定を受け、事業に必要なクレーン車を、5月末の事業実施期限に間に合うよう発注。ところが、受注したディーラーから、「コロナ禍と半導体不足により納車が秋になる」との連絡が入りました。補助金交付規程16条に基づき、「事故報告書」を提出し、実施期間の延長を求めたものの、事務局から「ウクライナ情勢やコロナによる納品遅れは事故に当たらない。延長は認められない」と却下され、申請の「取り下げ」を求められました。
このケースでの対応の是非をただすと、庁側は「補助金の事業実施期間は守らないといけない。『災害等』の場合、延長を認めているが、『等』は災害に匹敵することが求められる。納品遅れでも、延長が認められるのは、代替品が世の中のどこを探しても見当たらない場合だ。事業主が病気で入院してしまった場合などは延長を認めるが、今回のケースは該当しない」と回答。その上で、「いったん取り下げて、次回にチャレンジしてもらうことは可能。事業期間内に取り下げせず、事務局から『取消し』処分を受けると再申請できなくなる。そのため、事務局は『取り下げ』を求めている」と説明しました。
全商連の中山眞常任理事は「今回の場合、いったん取り下げても再申請できることが確認できた。申請者に対し、丁寧な説明を行うよう事務局を指導をしてほしい」と要望しました。