「STOP!インボイスのバトンを、大勢の人の力でつないで、国に届けてください」―。切なる願いを込めた「インボイスの延期、見直しを求める陳情書」が約1600の地方議会に送付されました。
「インボイス制度を考えるフリーランスの会」(STOP!インボイス)が取り組む「全国お手紙リレー大作戦」です。同会発起人の小泉なつみさんと、声優らの有志「VOICTION」共同代表の甲斐田裕子さん、咲野俊介さんが11日、国会前の郵便ポストから陳情書を投函する「投函式」を行いました。
「インボイス制度は事業者間の取引慣行を壊し、免税点制度を実質的に廃止するもの」「課税事業者が消費税の仕入税額控除をうけるためにはインボイスが必要となるため、免税事業者は取引から排除される可能性がある」などと指摘し、インボイス制度の延期・見直しを求めています。
「STOP!インボイス」は、1年ほど前から「地方議会に働き掛けることが必要じゃないか」と話し合ってきました。メンバーの一人で、制作会社を経営する阿部伸さんは、インボイス制度について、国会議員だけでなく、地方議員とも話し合ってきました。「『国政の話でしょう』と言われますが、いやいや、国政だけでなく、町の小規模な事業者に影響を与え、地域経済を壊す問題ですよね。地域から反対の声を上げなければ」と感じていました。
インターネットや国会議事録などを調べると、地方議会が「実施中止・延期を求める意見書」を採択する動きが目に留まりました。一方、意見書が不採択になった自治体の議事録を見ると、審議が十分に尽くされておらず、「何とかしたい」との思いを強めました。そこで、意見書を採択した約160自治体を除く約1600自治体に陳情書を送付することに。阿部さんは「500~600自治体で意見書が採択されたら、国も無視できないと思う。知り合いの議員さんに『陳情書を見ましたか』とぜひ声を掛けてほしい」と訴えます。同会は6月14日、「私の声で止めるSTOP!インボイス全国一揆」を開催します。47都道府県で「一揆」を起こし、東京のメイン会場は午後6時、国会前に集結。各地と中継をつなぎ、エール交換をする予定です。「全国の『私』たち、一緒に立ち上がりませんか?」と呼び掛けています。