「税制で商売をつぶすな」の思いを込めた「消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書」が新潟県聖籠町の3月議会で、全会一致で採択されました(3月20日)。新発田民主商工会(民商)聖籠支部が請願していたもので、全町議13人を訪問し、働き掛けたことが力になりました。
請願書は「インボイス制度が事業者間の取引慣行を壊し、免税点制度を実質的に廃止するもの」「インボイスを発行するためには、いかに収入が少なくても課税事業者になると消費税の納税義務が発生し、課税事業者にならなければ取引から排除される可能性がある」と指摘。「『税制で商売をつぶすな』の思いを込め、消費税インボイス制度の実施中止を強く求める意見書を国に提出すること」を求めています。
同町在住で新発田民商の中村登会長=建築=は「一人親方で仕事を請け負っているが、取引先にはインボイス発行事業者には登録しないと宣言している。仕事が切られる恐れもあるが、必ず中止に追い込む」と決意しています。
議員訪問では、中村恵美子町議(共産)と一緒に、全商連作成の「あわてないで!インボイス登録申請」リーフレットを手渡し、「インボイス制度によって、中小業者が廃業に追い込まれれば、地域経済にも多大な影響を与える」と賛同を要請。「じっくり読ませてもらう」などの反応がありました。
請願に理解を示した無所属の田中智之(会社経営)、小川勝也(一級建築士)の両町議が紹介議員になることを快諾。厚生産業常任委員会(3月7日)では、「中止ではなく、見直しでいいのではないか」との発言もありましたが、中村町議が「これまで消費税を負担していなかった年間売り上げ1千万円以下の免税事業者が課税事業者になって消費税を納めることは大変なこと」と強調し、7人全員が賛成。本会議では討論は行われず、全会一致での採択となりました。
中村会長は「商売をしている議員も多いので、インボイス制度が実施されると大変な状況になると分かっているのだと思う。自治体採択をさらに広げたい」と話しています。