大軍拡・大増税の予算成立 憲法理念徹底する税制度実現を|全国商工新聞

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 2023年度予算案が3月28日、参院本会議で自民・公明両党などの賛成多数により成立しました。しかし、多くの国民は、暮らしや平和を犠牲にして大軍拡に突き進む岸田政権を信頼していません。とりわけ、敵基地攻撃能力の保有に関する憲法解釈で、うそやごまかしを繰り返す首相の姿勢に厳しい視線が注がれています。
 岸田政権によって改定された「安保3文書」について、憲法との整合性を正面からただしたのは、日本共産党の志位和夫委員長でした。志位氏は1月31日、「『平生から他国を攻撃する兵器』を持つことは『憲法の趣旨』ではない」という伊能繁次郎防衛庁長官の答弁(1959年)を紹介し、「憲法解釈の変更か」と追及しました。ところが岸田首相は「安全保障環境が変わった」と言うだけで、根拠もなく「変更じゃない」と強弁。また「日米同盟だけで抑止できるのか」とし、足りないから自衛隊が敵基地攻撃能力を持つと、すり替えました。
 岸田政権の「専守防衛」の考え方も過去の政府答弁と整合性が全く取れません。志位氏は「防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなく」と、専守防衛を定義した田中角栄首相の答弁(72年)に触れ、敵基地攻撃と両立しないと指摘しました。しかし、岸田首相は質問に答えず、「田中答弁は海外派兵を禁止したもの」と述べました。さすがに批判が広がり、東京新聞3月28日付には「(海外派兵で)上陸して攻撃するのとミサイルで攻撃するのと何が違うのか」との元内閣法制局長官の声が紹介されました。
 敵基地攻撃能力の土台には、安倍政権が集団的自衛権の行使に道を開いた安保法制があることを見逃せません。自衛隊の武力行使の目的が「アメリカに対する武力攻撃の排除」になり得ることさえ、岸田首相は認めています。米軍と融合した自衛隊の集団的自衛権の行使となれば、報復攻撃や、米軍が勝つまで際限なく拡大する危険性が高まります。憲法9条とは両立しません。
 岸田政権の大軍拡・大増税を断固阻止するたたかいが求められます。「平和でこそ商売繁盛」の信条を貫き、憲法理念を徹底する税制度の実現をめざして、世論と運動の高揚に力を合わせましょう。

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