全国商工団体連合会(全商連)は3月17日、第3回オンライン経営対策交流会を開催。「商売のヒントはここに!商工新聞を深掘り・魅力再発見」をテーマに、本紙新年号で経営や活動を紹介された当事者が実践報告を行い、全国99カ所で視聴されました。
コーヒー加工・卸
若者が入りやすい店内レイアウトに
大阪・布施民主商工会(民商)の安永亜以さん=コーヒー加工・卸=は、3年前から両親が営むヤスナガコーヒを手伝い始め、ネットの活用で、若い層を中心にお客さんを増やしてきました。「新規のお客さんの来店のきっかけがグーグルマップの店のコメントを見て」と知って、「ビジネスアカウントを取ってコメントに返信できるようにした。そのことで高評価を得ると、検索でも上位に表示されるようになって、さらに来店が増える好循環につながった」と紹介しました。商標登録しているラバのマークを生かした商品パッケージや自家焙煎のロースターの写真などで、“店の売り”を発信してきた努力も語りました。「店内のレイアウトも、何でもかんでも張り紙にする両親と意見をぶつけ合いながら、すっきりとして若者でも入りやすいような雰囲気に改善していった」ことや、「ホームページからの購入をしやすいように、オンライン決済を導入し、デザインも一新した」ことなども報告しました。
印刷
時代の変化捉えて 地域ニーズも対応
佐賀民商の古川勝矢さん=印刷=が営む古川正文堂は創業109年の老舗印刷店。活版印刷の分業制の時代から、オフセット印刷へと変化する業界の事情や、地域ニーズにも対応するため、新機器などの設備投資をしてきたことを説明。90年代以降、デジタル印刷が主流となる中で、パソコンとソフトをいち早く導入し、必死で使い方を習得するなど、事業継続のための努力を語りました。
徳島県連、県婦協
会外開業希望者に民商知らせる機会
徳島県商工団体連合会(県連)の山根憲一会長=自動車整備=と、同婦人部協議会(県婦協)の吉原万里子さん=化粧品販売=は、経営交流を取り入れた活動の工夫と効果を紹介。吉原さんは「婦人部員へのアンケートを通じて、異業種交流や経営学習会を求める声が高まっている」ことを知り、県内などで3店舗を出店したミャンマー出身のカレー店経営者を招いた「商売を語る会」を行い、「経営交流がより身近になった」と報告。山根さんは「取り組みを通じて、会員自身も商売の長所に気づくこともでき、前向きになることができた」と述べ、「開業をめざす会外の人に参加してもらうことで、民商を知ってもらう機会にできることに気付いた」と話しました。参加者からは「少人数でも集まって経営交流をしていきたい」「長く続けるため、時代に対応していく努力が必要」などの感想が寄せられました。
次回予定4月26日 SNS活用を交流
次回は4月26日、テーマは「SNS活用」。実践報告に加えて、SNSアドバイザーの講演も行います。