岸田政権の原発回帰 再エネ推進を地方選挙の争点に|全国商工新聞

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 東日本大震災、東京電力(東電)福島第1原発の事故から12年が経過しました。岸田文雄政権は、あの過酷事故を忘れたかのように、原発推進へかじを切る法案を、今国会に提出しました。
 原発事故後、当時の民主党政権と自民党・公明党は、原発の運転期間を原則40年、最大60年と規定しました。中性子などの影響を受ける設備劣化の危険を少しでも避けるためでした。
 「改正案」は、この規定を原発を規制する法律から電気事業法に移行。電力安定供給のためと認めれば、60年を超えて運転できるようにします。廃炉となった原発の敷地内で、次世代型原子炉の開発や建設を進めるとしています。
 事故を起こした原発は廃炉のめどもついていません。政府と東電は大量の放射能汚染水の海洋放出を、春から夏に始めようとしています。4月に行われるG7サミット気候・エネルギー・環境大臣会合では、海洋放出について「透明性のあるプロセスを歓迎する」との表現を盛り込み、世界に安全性をアピールしようとしています。
 被災者への十分な賠償も、建屋への地下水流入を止める抜本対策やタンク増設なども行わず、国民を欺いてきた東電が行う海洋放出の「安全」など、信じられないとの声が渦巻いています。福島県では、いまだに約2万8千人が避難生活を余儀なくされています。農林業、水産業ともに事故前の水準に戻っていません。沿岸漁業の水揚げは事故前の2割程度にすぎず、生業は元に戻っていません。
 原発は今の科学で完全に制御することはできません。巨大地震も予測される日本で、原発の再稼働や新増設を行うことは許されません。新たな被害者を生むことにつながります。
 原発推進は財界の要求です。復興特別所得税を軍拡財源に回すことを検討し、復興を妨げ被災者に寄り添わない政治に批判が高まっています。
 原発ゼロで再生可能エネルギーを抜本的に強化し、気候危機打開、エネルギー自給率を高めることが求められています。統一地方選挙でも原発やエネルギー問題は大事な争点です。世論と運動を広げ、危険な原発回帰をストップさせましょう。

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