「健康保険証を廃止する閣議決定を撤回せよ」「マイナンバーカードの強制は反対」―。全国商工団体連合会(全商連)も参加するマイナンバー制度反対連絡会は10日、衆院第2議員会館前で抗議の緊急国会行動に取り組み、約100人の参加者が国会議事堂に向かって声を上げました。
岸田文雄内閣は7日、現行の健康保険証を廃止し、マイナンバー(個人番号)カードと一本化するとした関連法案を閣議決定。同法案には、マイナンバーカードを取得していない人に保険証に代わる「資格確認書」を発行することを盛り込みました。政府は、「資格確認書」所持者の病院窓口負担をカード利用者より高くする方針です。
議員会館前には、「保険証廃止法案の撤回を」「マイナ保険証を強制するな」の色とりどりの横断幕が並び、参加者の手には「保険証廃止ありえない」のプラカードが掲げられました。
労働者、医療従事者、高齢者など、各団体の代表がマイクを握り、健康保険証廃止の問題点を指摘。これを廃止しマイナンバーカードに一本化する政府の姿勢に抗議しました。
同連絡会の原英彦事務局長は「健康保険証との一本化は国民皆保険制度を壊し、誰もが医療にアクセスできる仕組みを壊すもの。命に関わる事態になる」と指摘しました。
全労連の小畑雅子議長は関連法案に盛り込まれたマイナカードの使途拡大について「政府の思惑通りにカードの使途を広げるものだ。急いでこの問題の本質を広げよう」と訴えました。
日本共産党の宮本徹衆院議員、社民党の福島みずほ参院議員、立憲民主党の阿部知子、吉田統彦の両衆院議員が駆け付け、「野党が力を合わせて健康保険証廃止法案を撤回させる」(宮本議員)、「国民は“アメとムチの対象”ではなく主権者だ」(阿部議員)と語り、連帯の意思を表明しました。