「コロナ禍で減った客足が戻らない」「仕入れの値上げが相次ぎ、利益を圧迫…」―。コロナ禍と物価高騰が中小業者を直撃する中、岸田政権は、そうした苦境を一顧だにせず大軍拡と大増税の「戦争国家づくり」に暴走しています。事業復活支援金など業者への直接支援は「公金上の制約」を理由に打ち切り、最も有効な物価高対策である消費税減税も拒否。各界に広がる「消費税インボイスは軽減措置ではなく、きっぱり中止」の声を無視し、あくまでも10月から強行する構えです。電子インボイスの導入を狙うデジタル庁はマイナ保険証などで個人番号を事実上強制し、韓国で行われているような税務当局の「記入済み申告書」も狙い、申告納税制度を形骸化させようとしています。
見過ごせないのは、2月28日に自民・公明などの賛成多数で衆院を通過した税理士法改定案に盛り込まれた「税務相談停止命令制度」です。財務省は「SNSなどで広く脱税や不正還付が行われていることを防止するため」と言いますが、税理士でない者が反復して行う税務相談を、財務大臣が命令で停止でき、従わない場合には厳罰を科します。命令すべきか否かの質問検査権は税務当局に与え、調査を拒否したり、虚偽答弁すると罰則があります。命令の対象となる行為や命令を出す基準・要件はあいまいで、自主申告運動の相談活動が対象となる可能性があります。財務省は「税務相談が税理士業務に当たるかどうかは個別に判断する」と繰り返し回答しています。しかし、申告納税制度の下で、納税者自らが自分の所得や税額を計算し、申告するために、納税者同士が行う税金相談の活動は、脱税や不正還付を指南する悪質な行為とは全く違います。納税者同士が税金について相談し、教え合うことは自由です。
今年で54回目を数える「3・13重税反対全国統一行動」は重税に反対し、税金の使い道を正す納税者の一大決起の場です。コロナ禍の昨年も「納税者の権利は、たたかってこそ守られる」と全国503カ所で取り組まれ、約4万人が参加しました。緊迫する情勢と行動の意義を話し合い、「税務相談停止命令制度は廃案に」「消費税は減税、インボイスは中止」「大軍拡をやめ、税金は業者支援や子育てに」「倉敷民商弾圧事件で禰屋さんを無罪に」など切実な要求を掲げ、集会やデモで多くの納税者に“目に見え、耳に聞こえる”よう創意工夫を凝らし、培ってきた集団申告の権利を堂々と行使し、目前に迫った3・13統一行動を大きく成功させましょう。