『軍拡・増税ノー インボイスは中止』 全中連 2・19集会に千人超 「思い同じ、政治変えられる」|全国商工新聞

全国商工新聞

 「インボイスいらんがね!」「税制で私の人生を決められたくない」「税金は防衛費より物価対策や子育て支援に」「マイナ保険証を強要するな」「税金の相談をできる場を奪わないで」―。「防衛増税ストップ!営業と暮らし、命を守れ2・19日比谷集会」=主催・全国中小業者団体連絡会(全中連)=が2月19日、東京・日比谷公園で開かれ、全国から中小業者をはじめ、医療関係者やフリーランス、建設労働者など千人を超える参加者が切実な思いを持ち寄りました。集会後、銀座~東京駅近くまでデモ行進。全中連は翌20日、8省庁との交渉と、国会議員への要請にも取り組みました。

自前のプラカードを掲げてアピールする愛知県からの参加者。
「インボイスいらんがね」の文字がひときわ目立ちました

 午後1時過ぎの開会から少しずつ春めいた陽気となった当日、「赤ヘル軍団」さながら、そろいの赤の法被で声を上げたのは広島からの参加者たちです。福山市のNさんは「インボイスの対応を元請けから迫られ、外注先の職人にも不安が広がっている。インボイスは中止に、増税もしてほしくない」。三原市のSさんは次女と参加。「防衛費に使うより、子育てに予算を使ってほしい」と訴えます。「電気代の高騰が直撃しています。営業努力にも限界がある」と述べ、「同じ思いの人が全国から集まり、政治を変えられると希望が持てた」と笑顔で語りました。

戦費調達の歴史

全国から参加者が一堂に会した日比谷野外音楽堂

 集会で司会を務めた声優の福宮あやのさんは冒頭、「13日にインボイス中止を求めるネット署名18万人分を財務省に渡してきた」と報告。会場から大きな拍手が送られました。
 太田義郎代表幹事・全国商工団体連合会(全商連)会長は開会あいさつで、「軍事費が増えるほど、中小業者の営業と国民の生活を支える予算が減っていく。消費税の5%引き下げ、インボイス中止へ、多くの国民、フリーランス、中小業者が世論と運動を広げよう」と呼び掛けました。
 各分野からインボイス中止を訴えました。
 インボイス制度を考えるフリーランスの会の小泉なつみさんは「インボイスを知って、こんな税制があるのかと信じられなかった。実施されれば2人目の子どもを持てないのではないか。税制に人生を決められるなど納得できない」。インボイス制度を考える演劇人の会の丸尾聡さんは「舞台芸術に携わる7割は副業しながら、頑張っている。インボイス実施で若者が業界から離れる」と述べ、怒りを込めて「ストップインボイス」と叫びました。
 インボイス制度の中止を求める税理士の会の松田周平さんは「消費税は対価の一部と判決で認定されている。付加価値税の歴史は戦費調達と不可分」と指摘。東京土建一般労働組合の中村隆幸・中央執行委員長は「物価・資材高騰で倒産が激増している。元請けからインボイス登録を求められれば、受けざるを得ない」。日本出版者協議会の水野久会長は「小規模出版社はフリーランスと連携し本を作っているが、インボイス制度で関係が変わってしまう。戦争と、自由に物が言え、出版できることは相いれない。この道は進ませない」と表明しました。

命を守る政治へ

のぼり旗やプラカードを掲げながら東京・銀座をデモ行進する集会参加者

 全中連の加盟団体も実態を告発。全国保険医団体連合会の大崎公司さんは「大病院にはマイナ保険証に対応する端末が設置されているが、誰も使っていない。このままでは医療を受ける権利が奪われる」。全商連の藤川隆広副会長は「商売を続けるため、単価交渉しているが、高騰分を吸収できない。一番早い対策は消費税減税だ」と訴えました。
 自由法曹団の平井哲史事務局長、全国FC加盟店協会の河合章副会長なども決意表明を行い、「平和、いのち、くらしを壊す戦争準備の大軍拡、大増税NO!連絡会」運営委員で全労連副議長の前田博史さんが連帯あいさつ。
 日本共産党の吉良よし子参院議員が国会情勢を報告。「物価高の原因はアベノミクスによる金融緩和だ。今こそ消費税減税に踏み出すべき。インボイス制度を強行すれば、多数の廃業を生む。中止するしかない。営業と命を守る政治へ、全力を尽くす」と表明しました。立憲民主党の末松義規衆院議員の連帯メッセージが紹介されました。
 沖縄県那覇市から参加したNさん=防水塗装=は「沖縄では離島での軍備拡大など、戦前のような体制がつくられている。国民みんなに“軍隊は住民を守らない”という沖縄戦での教訓を知らせていくことが大事だ。大軍拡・大増税を許さず、平和な世の中を守りたい」と決意を新たにしていました。


 >> インボイスに防衛増税、マイナカードの取得強制やめよ 全中連が多彩に行動 国会議員要請・省庁交渉

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから