岸田政権は、アジア・太平洋地域の軍事的緊張の高まりを口実に、敵基地攻撃能力を保有し、今後5年間で軍事費を43兆円に増やす大軍拡に突き進んでいます。その財源として国民に「防衛増税」を強いる姿勢が鮮明です。戦後日本の平和国家としての歩みを根本から覆す暴走を断じて許せません。民商・全商連として反戦平和の共同を強め、大軍拡・大増税阻止への世論と運動を広げることが急務です。
岸田政権は「専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならない」と言い募りますが、「GDP比2%以上」となれば、日本の軍事費は米国、中国に次ぐ世界第3位になります。その中身も「相手の領域において…スタンド・オフ防衛能力を活用」すると位置付けています。相手国の領土深くまで攻撃できる「長射程ミサイルの大量配備」戦略が中心で、政権の言い分は成り立ちません。
「自分の国は自分で守る」とも繰り返しますが、2015年の戦争法強行により、日本への武力攻撃がなくても、自衛隊が在日米軍と武力行使できる「集団的自衛権の行使」を法的に認めました。米軍は世界的規模での「統合防空ミサイル防衛」(IAMD)を構築し、そのドクトリン(原則)で、国際法に反する先制攻撃を公然と表明しています。第2次大戦後、米国の起こした数々の侵略戦争に一度も反対したことのない日本政府が、在日米軍によるIAMDの指揮・統制にあらがえるはずがありません。
岸田政権は平和を脅かすと同時に、暮らし・経済を破壊しています。高額な米国製攻撃兵器の爆買いへ、社会保障や教育の予算に大ナタを振るっています。防衛力強化資金として、医療機構・積立金422億円や、中小企業向けの「ゼロゼロ融資」基金の残金2350億円を返納・流用します。統一地方選挙後には戦費確保への国債発行と併せ、「防衛増税」の本格的な検討を進めます。
戦争する国づくりを許さず、国家の根幹をなす「税の在り方と使い道」を根本から正すことが大切です。「平和でこそ商売繁盛」の信条の下、「納税者の権利宣言」(第5次案)も大いに活用し、大軍拡・大増税を撤回させるたたかいに力を合わせましょう。